【自転車奔走記】第598回。

【ケアマネの自転車奔走記】連載・第598回。

1月も後半戦に入りました。皆様、いかがお
過ごしでしょうか?私事で非常に恐縮ですが、
先日の夜、急に腹が減ったので冷蔵庫をガサ
ゴソしていたら、お正月の餅の残党が沢山出
てきて少々驚きました。そういえば、灯油ス
トーブを使っていた頃は、小腹が空くと焼餅
を作ってよく食べていましたが、ストーブを
使わなくなってからはその光景や、醬油や海
苔の焼ける香ばしい匂いも身近から無くなっ
てしまいましたね。ライフスタイルが食生活
や食文化に少なからず影響を及ぼすことを身
をもって実感した次第です(因みに、餅は雑
煮にして食べましたが)。

それはさておき、寒さもこれからが本番にな
ってきます。寒さ対策、ヒートショック対策
は万全にお願いしますね。また、インフルエ
ンザなどの感染症予防対策も引き続きお願い
します。
では【自転車奔走記】はじまり!
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たきび版:介語苑・73ー48。

【語句】
社会保障(制度)

【意味】
「国民の生活の安定が損なわれた場合」に、
国や地方公共団体などが一定水準の保障を行
う制度(セーフティネット)。

【解説】
今週も引き続き生活保護の9つの加算につい
てお話します。早速ですが、④の【妊産婦加
算】から。妊産婦加算は、妊娠中、および産
後6ヵ月以内の被保護者に対して、追加的に
必要となる栄養補給等の経費を補填するもの
として支給される加算です。加算の期間は妊
娠6ヶ月未満、妊娠6ヶ月以上、そして産後
6ヶ月までの3つに分けられています(期間
によって加算される金額も違います)。

続いて⑤【児童養育加算】です。児童養育加
算は、児童の養育者である被保護者に対して、
子どもの「健全育成費用(学校外活動費用)」
を補填するものとして支給されるものです。
対象となる児童の年齢は、18歳になる年度の
3月末日(高校卒業の年)までとなっており、
支給される金額は一律10,190円(令和6年1
月現在)となっています。

次は⑥【介護施設入所者加算】です。この加
算は、介護施設に入所(入居)している被保
護者に対して、理美容品や嗜好品、教養娯楽
費などを補填するものとして支給される加算
で、母子加算、障害者加算が算定されていな
いことが支給の条件になります。

⑦【介護保険料加算】は名称は少し似ていま
すが、介護保険の第1号被保険者である被保
護者に対して、納付すべき介護保険料に相当
する経費を補填するための加算になります。
ですので、介護保険料の額を実費支給という
形で加算することになります。

⑧の【在宅患者加算】は、被保護者であって
在宅で療養に専念している患者(「結核又は
3ヶ月以上の治療を要する」とされています)
に対し、追加的に必要となる栄養補給等のた
めの経費を補填するものとして支給される加
算です。この加算は級地などの区分は無く全
国一律の加算額となっています。

そして最後の⑨【冬季加算】ですが、冬季間
に必要となる暖房費等の補填として支給され
るものです。この加算は「級地」とは別に、
お住いの地域や世帯人数によってⅠ区〜Ⅵ区
に分けられていて、加算額や算定期間が違い
ます。因みに冬季加算の算定期間は11月〜3
月ですが、Ⅰ区(北海道・青森県・秋田県)
とⅡ区(岩手県・山形県・新潟県)は寒冷地
のため10月〜4月の間が算定期間になります。
以上が生活保護の加算となります。

さて、これにて社会保障における公的扶助の
(1)生活保護についてのお話は全ておしま
いとなります。公的扶助のなかでも世界的に
非常に手厚い日本の生活保護制度ですので、
思いのほかお話に時間を要してしまいました。
ただ、これからの少子超高齢化社会では、生
活保護制度の重要性が生活場面ではますます
高まることが予想される反面、社会保障の制
度持続(主に財政面)観点からすると、様々
な議論を要する問題が横たわっているのも事
実です。日本における公的扶助の大黒柱であ
る生活保護制度について、今後、皆様が関心
をもって見聞きしていただければ幸いです。

では、今週はここまで。
次回は公的扶助の2番目【社会手当制度】に
ついてお話をします。
またお会いしましょう。
お相手は広森でした!
SEE YOU NEXT WEEK☆