【自転車奔走記】第513回。

【ケアマネの自転車奔走記】連載・第513回。

GW最後の日曜日になりました。皆様、いかがお過
ごしでしたでしょうか?
久しぶりの行動制限のない
GWで、旅行や行楽等にお出かけされた方も多いと
思います。心身ともにリフレッシュして、明日から
のお仕事や学業が一層捗ると良いですね。

少々不安定な天気が続きましたが、これからは気温
もあがり、梅雨の気配も漂ってきます。水分補給や
十分な休養など、脱水症予防、そして熱中症の警戒
をお願いしますね。新型コロナについても、まだま
だ感染予防対策をしっかり続けていただくようお願
いします。
では【自転車奔走記】はじまります!
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たきび版:介語苑・72-16。

【語句】
睡眠障害

【意味】
睡眠に関連した多種多様な病気の総称。 不眠症や過
眠症、中途覚醒や入眠障害などがある。

【解説】
引き続き過眠症のお話になります。前回、過眠症を
引き起こす色々な要因や原因をお示ししました。今
週は⑤心理的ストレス、精神疾患と⑥睡眠の質の低
下を起こす疾患についてお話します。まず心理的ス
トレスから。不眠症の部でもお話しましたが、睡眠
と心理的なストレスは深い関係にあります。ストレ
スからくる強い緊張感や不安などから夜間の睡眠が
十分にとることができず睡眠不足の状態になった結
果、日中に強い眠気に襲われるというのが代表的な
ものの一つですね。また、うつや抑うつも過眠の症
状を呈することで知られています。うつ病では不眠
などの睡眠障害を併発することが多いですが、逆に
不眠になるだけでなく過眠傾向を示す事があります。

うつの状態になると気分や意欲が下降することは知
られていますが、うつ病の非定型症状の一つに(身
体に鉛のような重さを感じる ひどく疲れやすく、身
体に鉛のような重さを感じやすい)というものがあ
ります。 この症状では身体が重く感じることから疲
れやすく、布団から起き出せないという流れができ
あがってしまいがちで、これらのことが過眠症状と
結び付くのでは?と考えられています。そして過眠
を引き起こす代表的な気分障害に『冬季うつ病(季
節性感情障害)』というものがあります。この冬季
うつ病とは、秋から冬にかけて抑うつ気分が発生し、
春や夏になるとよくなることを繰り返す季節性の感
情障害(うつ)です。

その特徴は(1)過眠(2)過食(3)体重増加と
いったもので、典型例のうつ病とは異なる非定型な
症状が多いのが特徴です。またメンタル面でも「意
欲低下や思考が進まない」「倦怠感がある」などの
抑制症状が中心で、憂うつ感などの抑うつ症状は目
立たないという特徴があります。(1)の過眠につ
いては睡眠時間の増加が特徴で、夜の睡眠時間の延
長と日中の眠気の増加が同時に起こることが知られ
ています。つまり、夜間に十分な睡眠をとっていて
も日中に強い眠気に襲われるという症状ですね。

(2)の過食は、食欲亢進(食欲が増すこと)を示し、
炭水化物に対する強い欲求(「炭水化物飢餓」といわ
れるほどです)が特徴的です。白米やパン、パスタな
どの炭水化物を多く含む食品の他にチョコレートな
どの菓子類を好み、午後から夜にかけて食欲が増強
するといわれます。この(1)と(2)の結果とし
て(3)の体重増加が引き起こされるという事にな
り、この冬季うつ病はまるで冬眠している様子にも
似ていると表現されることがあります。他にも統合
失調症の消耗期(急性期にエネルギーをたくさん使
ってしまい、その後どっと疲れが出ている状態)に
過眠傾向を示すことがあります。この時期になると
眠気が強く睡眠過多になりやすい経過をとり、周囲
から寝すぎを指摘されるくらいによく眠るという状
態になることがよく見られます。このように、スト
レスやメンタルの病気から過眠が引き起こされるこ
とはよくあります。

ただ、メンタルの病気についてはなかなか自覚する
ことが難しかったり、自覚したとしても専門の医療
機関に繋がらなかったりすることが多いとも聞きま
す。勝手な自己診断は禁物ですが、少し気になるこ
とがあればしっかりと専門医師の診察を受けたほう
が良いと思いますね。続いて⑥の(睡眠の質の低下
を起こす疾患)へとお話が移ります。これは、疾患
そのものが睡眠の質の低下を招き、そのことが過眠
を引き起こすというメカニズムになります。代表的
な疾患に      睡眠時無呼吸症候群、むずむず脚症候
群、周期性四肢運動障害などを挙げることができま
す。「睡眠時無呼吸症候群」は比較的よく知られて
いますが、「むずむず脚症候群」や「周期性~」な
どは広くは知られていませんが過眠とは関係の深い
疾患でしられています。

というところで、これらの解説は次週にお話します。
では、またお会いしましょう。
SEE YOU NEXT WEEK!