【自転車奔走記】第597回。

【ケアマネの自転車奔走記】連載・第597回。

正月気分も完全に抜けて、そろそろ日常の生
活が戻って来た頃合いの日曜日、
皆様いかが
お過ごしでしょうか?
暖冬と聞いていました
が、なかなかどうしてやっぱり冬は冬、寒い
ですね…。
寒い日が続くと、体の節々が硬く
なってちょっとしたことでも怪我や転倒のリ
スクが高まってしまいます。この時期だけで
はありませんが、お散歩や買い物などの外出
時、家事などの時は慎重に行動なさってくだ
さい。
インフルエンザなどの感染症予防、ヒ
ートショック対策も引き続き万全にお願いし
ます。
では【自転車奔走記】はじまります!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
たきび版:介語苑・73ー47。

【語句】
社会保障(制度)

【意味】
「国民の生活の安定が損なわれた場合」に、
国や地方公共団体などが一定水準の保障を行
う制度(セーフティネット)。

【解説】
今週は生活保護の「9つの加算」についてお
話します。いままで様々な扶助のお話をして
きましたが、この「加算」というのは扶助と
は別の枠組みで、受給者の状況に応じて最低
生活費の額を調整する仕組みと考えていただ
ければ良いと思います。では、まずこの仕組
みについてお話します。

先ほど「受給者の状況」と書きましたが、状
況とは、住まう地域であったり、世帯の状況
であったり、そして障害や病気の有無など個
人の背景因子的なものを指します。例えとし
て居住地を考えて下さい。都心部と地方を比
べると、物価や家賃など生活に必要な経費の
額が違いますよね。もしどこに住もうが全国
一律の扶助額であったなら、生活費用が高い
都心部に住む方は、生活費の安い地方の方に
比べて経済的な不利益を受けることになりま
す。ですので、生活保護制度には「級地制度」
というものがあり、地域ごとの特性や生活様
式などに応じて生じる物価や生活水準の差を
生活保護の基準額に反映させることで、住ま
う地域によって生じる差を均一化しています。

で、今回お話する加算は、受給者の生活の状
況に応じて生まれてしまう差を調整するもの
になります。加算は全部で9種類、①障がい
者加算②放射線障がい者加算③母子加算④妊
産婦加算⑤児童養育加算⑥介護施設入所者加
算⑦介護保険料加算⑧在宅患者加算⑨冬季加
算となります。では、早速見ていきましょう。

①【障害者加算】は、障害があることによっ
て余計にかかる生活費(障害需要)への補填
が目的の加算です。例えば足が不自由で近所
のスーパーに行くのも大変だという方は、健
常者が歩ける距離であってもタクシーを利用
することもあると思います。ただ、タクシー
代などは基本的に生活扶助を中心とした生活
費から捻出しなければならないため「障害者
加算」として多めに保護費が支給されます。

②【放射線障がい者加算】とは、(原子爆弾
被爆者に対する援護に関する法律)に基づき
生活保護法から支給される加算で、放射線に
よる障害を持っている方が対象となります。

続いて③の【母子加算】ですが、ひとり親世
帯のかかりまし経費(ひとり親世帯がふたり
親世帯と同等の生活水準を保つために必要と
なる費用)を補填するものとして支給される
加算です。ちなみに名称は「母子」となって
いますが父子世帯も支給対象となっています。

というところで、今週はここまでとします。
次週は残りの加算についてお話をしますね。
では、またお会いしましょう。
お相手は広森でした。
SEE YOU NEXT WEEK

最後になりましたが…
この度の令和6年能登半島地震でお亡くなり
になった方、そして被災された皆様に、お
悔やみとお見舞いを申し上げます。