【ケアマネの自転車奔走記】連載・第501回。
明日はバレンタインデー(ワタシにとっては全く関係
ありませんが…)、皆様いかがお過ごしでしょうか?
例年ならバレンタイン商戦でにぎわう巷ですが、新型
コロナの感染再拡大が続いています。感染対策の肝は
個人個人の地道な感染予防対策です。基本的感染症対
策の①こまめな手洗い②換気③密の防止④不要不急の
外出を控える、これらの対策の徹底を続け、感染の拡
大を防ぎましょう!
また、コロナ対策も大事ですがヒートショックや冬場
の脱水症、そして転倒など高齢者の事故も要注意です。
十分な配慮をお願いします。
では【自転車奔走記】はじまります!
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たきび版:介語苑・72-6。
【語句】
睡眠障害
【意味】
睡眠に関連した多種多様な病気の総称。 不眠症や過眠
症、中途覚醒や入眠障害などがある。
【解説】
今週からは「睡眠のメカニズム」についてのお話になり
ます。この章で、睡眠という人間の活動について、どう
して眠るのか?やなぜ起きる(覚醒する)のか?という
睡眠という活動が発生するメカニズムについてのお話し、
続いて睡眠の中身、よく言われるレム睡眠とノンレム睡
眠や体内時計などのお話をする予定でいます。前章の睡
眠の役割と併せて睡眠の仕組みをご理解頂き、その上で
本編の本題である「睡眠障害」についてのお話に進むと
いう流れです。では、早速睡眠のメカニズムについての
お話です。私たちは毎日ほぼ同じ時刻に眠りに入り、凡
そ6~8時間程で自然に目覚めることが多いと思います。
また徹夜をしていると、夜が深まるとともに徐々に眠気
が強まり、明け方になると耐え難い眠気を感じ「眠い!
眠い!」と顔を洗ったりガムを噛んだりして必死に眠気
を覚まそうとしますが、午後には不思議なことに眠気が
いったん軽くなるような経験があると思います。私達人
間は、これらのように大体決まった時刻に眠気が出現し、
眠りに落ち、そして醒めてゆく睡眠(眠気)のリズムを
持っています。では、このリズムはどのように形作られ
るのか?というのが今回のお話です。人間の睡眠(眠気)
は大きくふたつのシステムで形作られています。第一の
システムは起きて活動しているときの疲労の蓄積によっ
て起こる(睡眠欲求)です。
睡眠欲求は目覚めている時間が長い程強くなります。ま
た、徹夜などで長時間にわたって覚醒していると、普段
寝つきが悪い人でもすぐに眠りに落ち、深い眠りが出現
することが知られています。そして、この睡眠欲求はい
ったん眠りに入ると急速に減少し、その人にとって十分
な時間だけたっぷりと眠ると睡眠欲求は消失します。つ
まり起きて活動する(覚醒)ことですね。この「覚醒力」
が第二のメカニズムです。覚醒力は体内時計から発信さ
れ、一日の決まった時刻に増大し、『眠りたい~』と訴
える睡眠欲求に打ち勝って私達を目覚めさせる働きをし
ます。この覚醒力は普段の就床時刻の数時間前に最も強
くなり、人間を覚醒させます。そして、一日の覚醒活動
の終盤、メラトニン(眠りを促すホルモン)が分泌され
る就床時刻の1-2時間前頃に急速に低下し私達は眠りに
入ります。私たちは夕食後にゲームや団欒に興じてすっ
きり目覚めていて、『まだまだ眠たくない!大丈夫!』
とか『もっとゲームをしたい!』と思っていても、いつ
もの就寝時刻あたりにさしかかると急に眠気を感じるよ
うになる経験があると思いますが、この現象は実はこの
覚醒力のメカニズムが原因なんですね。逆に覚醒力のリ
ズムがなければ、日中活動の連続で徐々に強まる睡眠欲
求のため一日の後半は眠気との戦いで何もできなくなり、
質の高い社会生活は営めなくなりますよね。このように
人間の睡眠は、眠ろうとする欲求と覚醒するという力が
バランスよく機能してこそ初めて機能するわけなんです。
そのバランスよく機能するために非常に重要な役割を果
たしているのが「体内時計」というものです。最近はよ
く耳にする機会も多いと思いますが、次回はこの体内時
計についてお話をしていきます。
では、またお会いしましょう。
SEE YOU NEXT WEEK!