【自転車奔走記】第498回。

【ケアマネの自転車奔走記】連載・第498回。

昨年までの暖冬とは違い、今年の冬は予報通り
寒い日が続いていますね。
皆様、いかがお過ご
しでしょうか?
1月も終盤、受験シーズンまさ
に真っ只中ですが、ここに来て新型コロナウイ
ルス感染症の第6波ともいえる感染拡大になっ
ています。新たな変異株でその特性などの情報
も乏しく、対策についても事実と推測がごっち
ゃになって情報自体が錯綜している感が強いで
す。緊急事態やまん延防止などの行政措置とは
別に、私達は一人一人ができる予防策、つまり
手洗い、マスク、換気、密の回避、早めの受診、
一人一人の行動が感染拡大にも感染収束にもつ
ながりますので、これらをしっかり守って実践
してまいりましょう。

また、コロナ対策も大事ですがヒートショック
や冬場の脱水症、そして転倒など高齢者の事故
が増えています。まさに注意一秒、怪我一生!
慎重な行動と十分な注意をお願いします。
では【自転車奔走記】はじまります!
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たきび版:介語苑・72-3。

【語句】
睡眠障害

【意味】
睡眠に関連した多種多様な病気の総称。 不眠
症や過眠症、中途覚醒や入眠障害などがある。

【解説】
今回も引き続き「睡眠とは?」についてお話し
ます。前回は、人間にとって眠るという行為は
単に体を休める為ではなく、脳や身体のメンテ
ナンス等を行う能動的な神経活動であるといっ
たお話をしました。その活動は大きく2つに分
けることができ、①身体の健康維持と②脳シス
テム維持がそれにあたります。では、早速見て
いきましょう。

①「身体の健康維持」ですが、その内容は(身
体の疲労回復)と(ホルモン分泌や免疫力の増
強による身体組織の修復)に分けることが出来
ます。まず(身体の疲労回復)ですが、しっか
りとした睡眠をとることで体の疲れが解消する
ことは経験上皆さんもよくご存じで、睡眠の効
能で一番体感しやすいものだとは思います。こ
の睡眠による疲労回復には睡眠の質とホルモン
分泌が関わっているんですが、睡眠の質につい
ては別章でお話しますので、(ホルモン分泌や
免疫力の増強による身体組織の修復)について
お話を進めます。

人間の睡眠と関係の深い分泌ホルモンは3種類
あって(1)メラトニン(2)コルチゾール(3)
成長ホルモンと言うものです。では、それらの
ホルモンの役割などについてお話をします。
(1)のメラトニンですが、睡眠と覚醒のリズ
ムを作るホルモンです。一般的成人の場合、夜
9時くらいから少しずつ眠気を感じて夜11時か
ら12時に眠気のピークが来て眠りに落ちるとい
う睡眠リズムを持っています。その睡眠リズム
を体内時計に働きかけて動かしているのがメラ
トニンというホルモンで、その役割は、夜にな
ると脳から沢山のメラトニンが分泌され眠気を
感じ、朝起床して体内時計からの信号でメラト
ニンの分泌が止まるというものです。このメラ
トニンは日中殆ど分泌されず、起床から14 ~
16時間後に分泌されるので、睡眠リズムを維持
するには大切な役割を担っています。また、メ
ラトニンには抗酸化作用があり、がんや老化を
抑えるはたらきがあるとも言われています。

(2)のコルチゾールは、メラトニンとは逆の
性質を持つホルモンで、睡眠の後半から目覚め
るときに分泌量が増大する性質を持っています。
このコルチゾールが分泌されると、起床活の生
体動後に低血糖にならないように血糖値の調整
をしたり、血圧を上げて起きてから体が動ける
状態にしたりする、いわば「これから動くぞ!」
という活動準備的な役割を持つホルモンで、メ
ラトニンとセット的ではありますが、睡眠とは
かなり深いかかわりを持つホルモンと言えます
よね。

ところで少々余談ではありますが、このコルチ
ゾールというホルモンの別名は「ストレスホル
モン」。人間がストレスにさらされるとその防
衛として急激に分泌が増えるという性質がある
ことで知られていますが、先ほどお話した睡眠
から覚醒に至る身体の準備をこのホルモンが行
うという事は、万人にとって“起きていること”
というのは正に「ストレス」なのだな…と。だ
からこそ、睡眠によるメンテナンスは非常に重
要な役割を持っていることにもなります。

話を戻しまして(3)の成長ホルモンですが言
葉面から子供の成育に関連するもののような印
象を受けますが、子供大人に関わらず人の身体
組織のメンテナンスには欠かせない非常に重要
なホルモンです。これについては次回に少々詳
しくお話しようと思います。
では、またお会いしましょう。
SEE YOU NEXT WEEK!