【ケアマネの自転車奔走記】連載・第553回。
3月の中頃、春の足音がはっきり聞こえるよ
うになってきた日曜日です。皆様、いかがお
過ごしでしょうか?日に日に暖かくなり、年
度末の気忙しさも忘れてついウトウトと…し
ている場合ではないですね(笑)。季節の変
わり目で体調を崩しやすくなっています。皆
様、体調管理には十分ご注意下さい。新型コ
ロナウイルス感染症対策についても、行政の
情報をしっかり確認したうえで、各自が適切
な判断をしてご対応願います。
では【自転車奔走記】はじまります!
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たきび版:介語苑・73―8。
【語句】
社会保障(制度)
【意味】
「国民の生活の安定が損なわれた場合」に国
や地方公共団体などが一定水準の保障を行う
制度(セーフティネット)。
【解説】
今週は日本の社会福祉制度の一つである(保
育・児童福祉)についてお話します。前回の
日本社会福祉の歴史で少し述べましたが、か
つての児童福祉は障害や貧困、一人親など社
会的に特別な支援を要する子供に対して施策
が中心でした。ですが、少子化や虐待など近
頃の子供たちを取り巻く社会はより複雑化し
ている現在、児童福祉の分野が担う施策は非
常に多岐に渡るようになりました。その多岐
に渡る分野は、日本の社会保障制度に『4つ
の柱』があるように、保育・児童福祉の施策
にも支柱となる『8つの柱』と呼ばれていま
す。まずは、その柱を概観してみましょう。
①保育子育て支援施策②ひとり親家庭施策③
社会的擁護施策④児童虐待対策⑤障害児支援
施策⑥健全育成⑦母子保健対策等⑧非行・情
緒障害児施策、これらの8つの施策を中心と
して日本の児童福祉は展開されています(こ
れらを総称して『児童家庭福祉施策』と呼ぶ
こともあります)。では、個別の施策につい
て簡単に見ていきたいと思います。
①保育子育て支援施策
この施策では、子育てをする親の負担を軽減
するため、保育所や認定こども園、その他も
子供を預かる事業を拡充しくことを目的とし
た施策になり、そしてこの施策は以下の5つ
の事業で構成されています。ではその概要を
見てみましょう。
(1)保育所・認定こども園
現在の日本では、子供を預ける所は「保育所」
「認定こども園」、そして「幼稚園」の3つ
があることはご存知だと思います。今回のテ
ーマである児童福祉から見てみると、行政的
に幼稚園は文部科学省が管轄する「学校(根
拠法が学校教育法等になります)」の取り扱
いになり、保育園は児童福祉法を根拠して厚
生労働省が管轄する「児童福祉施設」となっ
ています。つまり、施策の面から見ると、幼
稚園という施設そのものは児童福祉施策から
は少し離れた所にあることになります(です
が、園児らは当然児童福祉法の対象ですので、
全く関係がないわけではありません)。そし
て、ここ近年よく耳目にする「認定こども園」
という施設は、園によって学校タイプや児童
福祉施設タイプ、その両方のタイプが存在し
ます。つまり複数の根拠法があることになり
ますので、認定こども園の管轄は内閣府が行
い、その上で文部科学省や厚生労働省とも連
携をはかって様々な施策を行っています。
(2)保育対策等促進事業
保育対策等促進事業とは、既存の施設を改修
等することにより、保育所等を新たに設置す
る事業です。例えば、駅前等の利便性の高い
場所にある既存の建物を活用した保育所等の
設置や障害児でも利用できるように施設を改
修する等を上げることができます。これらの
ことで、新たに土地を確保して一から認可を
受け新設するより効率的に保育所等の設置を
促進することができたり、保育環境の改善を
図ることを目的とし、最終的には社会問題と
もなった待機児童を解消して、社会が子ども
を安心して育てることができる体制整備を整
えることを目的とした事業です。
(3)一時預かり事業
この事業は、保護者が出産、病気、冠婚葬祭、
通院、習い事、ショッピング、美容院、育児
による心理的・身体的負担など、さまざまな
事情によって一時的に家庭で保育を受けるこ
とが一時的に困難となった乳幼児(主として
保育所、幼稚園、認定こども園等に通ってい
ない、又は在籍していない乳幼児)を、認定
こども園や幼稚園、保育所等で一時的に預か
る事業です。
(4)地域子育て支援拠点事業
地域の子育て中の親子の交流促進や育児相談
等を実施する事業で、子育ての孤立感、負担
感の解消を図り、全ての子育て家庭を地域で
支える事業です。
(5)家庭的保育事業
家庭的保育事業とは、保育園・認定こども園
だけでなく、一般家庭でも子供を受入れ「保
育」が出来るようにしようという事業。具体
的には、保護者や地域の事情に応じた多様な
ニーズに応える観点から家庭的保育事業(保
育ママ)を推進するため、その実施場所にか
かる改修に要する責用や賃借料の一部を補助
します。他にも、家庭的保育者に対して行う
研修や家庭的保育者になる際に必要な研修の
実施に要する費用の一部を補助するものもあ
ります。この事業を通じて、子どもを安心し
て育てることが出来るような体制整備を整え
ることが目的とされています。
以上、ざっとではありますが日本の保育・児
童福祉の施策について紹介しました。これら
の保育。児童福祉の諸政策は、少子高齢化に
歯止めをかける国の重要政策の一翼を担って
いますので、今後ますます拡充することが予
想されますね。
というところで今週はここまで。
次回は2つ目の【母子及び父子並びに寡婦福
祉】についてお話します。
では、またお会いしましょう。
お相手は広森でした!
SEE YOU NEXT WEEK☆