【自転車奔走記】第514回。

【ケアマネの自転車奔走記】連載・第514回。

5月も終盤に近付いてきた日曜日。皆様、いかがお
過ごしでしょうか?
今年の中期気候予想ではラニー
ニャ現象(太平洋の赤道付近から南米沿岸の海域の
海水温が平年より低くい状態が続く現象)が8月頃
まで続く可能性が高く、そのため早い梅雨入りや大
雨、猛暑日などに注意が必要とのことでした。この
5月も雨が多かったような気がしますので、もしか
したらその影響かもしれませんね。

高温多湿の日が多くなってきます。熱中症や脱水症
に十分注意して体調管理をお願いしますね。新型コ
ロナについても、まだまだ社会的寛解には遠いよう
ですので、感染予防対策をしっかり続けていただく
ようお願いします。
では【自転車奔走記】はじまります!
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たきび版:介語苑・72-18。

【語句】
睡眠障害

【意味】
睡眠に関連した多種多様な病気の総称。 不眠症や過
眠症、中途覚醒や入眠障害などがある。

【解説】
今週は⑥(睡眠の質の低下を起こす疾患)の一つであ
る『むずむず脚症候群』についてお話します。むずむ
ず脚症候群はレストレスレッグス症候群や下肢静止不
能症候群とも呼ばれる病気です。この病気には4つの
特徴的な症状があります。まず1番目に【脚の不快な
感覚のため、脚を動かしたくてたまらなくなる】とい
うものがあります。この不快な感覚とは『脚の中を虫
がはうような感覚』や『脚のほてりや痒み』『痛み』
など人さまざまなところもある様子ですが、一番の特
徴は(脚の表面ではなく深部に感じる不快さ)と言わ
れています。

この感覚を『脚の中が痒い』と表現することもありま
す。不快感をあらわれる部位ですが、両脚に不快感が
出ることが多いですが、片方しか出ない場合もありま
す。また、進行すると、脚以外にも症状があらわれる
こともあります。2番目は【安静にして、横になった
り座ったりしていると症状があらわれる、または強く
なる】というものです。横になったり、座ったりして
数分から1時間以内に症状が出てくる場合が多く、長
時間座っていられなくなり、仕事や勉強に集中できな
かったり、同じ姿勢でいることが多い電車や飛行機に
乗ることに苦痛を感じる場合もあります。

そして3番目は【脚を動かすと、不快な感覚が軽くな
る】というものです。不快な感覚が出現しても、足を
叩いたり、さすったり、歩いたりするなどして脚を動
かすとその間は症状が軽くなったり、治まったりする
など、身体のどこかを動かしていれば症状が軽くなる
のが特徴の一つです。その反面、運動を止めると不快
な症状が再発することが多いようです。最後の4番目
が【夕方から夜にかけて症状が出現したり強くなった
りする】というものです。この病気は夕方から夜にな
ると症状があらわれたり、強くなる傾向があることか
らわかるように、1日の中で時間帯により症状の強さ
が変化するのが特徴です。また進行すると昼間に症状
があらわれることもあるようです。では、このむずむ
ず脚症候群の原因は何か?についてお話します。

この病気の原因については原因が分からない特発性と
鉄欠乏性貧血、人工透析(末期腎不全)、糖尿病、リ
ウマチ、パーキンソン病などの症状を引き起こす病気
や妊娠、抗うつ薬・抗精神薬・抗ヒスタミン薬などの
薬剤、嗜好品であるカフェインやニコチン、アルコー
ルなどが原因で起こる二次性の2つに分類されていま
す。ですが、この病気がどのようなメカニズムで起こ
るのか?についての明確な解明はなされていないんで
す。ただ、現時点では神経細胞(ドーパミン)異常や
鉄分不足、そして遺伝的要素という3つの原因が有力
な説として考えられています。そして、この病気が日
常生活に及ぼす影響ですが、一般的に睡眠は夜間にと
り、かつ横になって同じ姿勢を取ることが殆どですの
で、先ほどお話したむずむず脚症候群の好発条件が整
っているわけです。ですので、夜中に脚の不快感で何
度も目が覚める、脚を動かし続けることで上手く眠れ
ないなどの睡眠障害(夜間に症状が出てしまい十分な
睡眠が取れない)を引き起こすわけです。

結果として日中の強い眠気や集中力の低下などの過眠
症状を引き起こし、日常の生活に様々な悪影響を及ぼ
すことになります。最後にこの病気の治療についてで
す。一般に薬物を使用しない非薬物療法と症状が強い
場合に用いられる薬物療法の2つがあります。この病
気の診断については、しっかりとしたガイドラインが
ありますので、もし心当たりがあれば、まずは医療機
関(睡眠外来のある病院や内科、神経内科、心療内科
など)にご相談したうえで、必要に応じて受診される
ことをお勧めします。
というところで今週はここまで。
次回は「周期性四肢運動障害」についてお話をします。
では、またお会いしましょう。
SEE YOU NEXT WEEK!