【自転車奔走記】第493回。

【ケアマネの自転車奔走記】連載・第493回。

今年もあと10日ほどになりました。慌ただしく
なってきた師走の日曜日、皆様いかがお過ごし
でしょうか。年末に向けて毎日が何かと気忙し
くなってきます。コロナの影響で久しぶりの師
走らしい光景ではありますが、ちょっとした不
注意から転倒等の事故が起こりやすい時期でも
あります。健康管理と併せてご注意下さい。ま
た、適切な室温管理と水分補給もお願いします。
では【自転車奔走記】はじまります!

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たきび版:介語苑・69-39。

 
【語句】
加齢性黄斑変性症
(かれいせいおうはんへんせいしょう)
 
【意味】
眼球内の黄斑という部位に異常が発生し障害さ
れる病気。視力の低下や物が歪んで見えたりと
いった症状を呈する。
 
【解説】
先日ワタシの担当の方が、免許更新時に視力の
低下を指摘され、眼科に受診したところ上記の
「加齢性黄斑変性症」と診断されました。この
病気は高齢の方々にとっては特に珍しい病気で
はありませんが、この自転車奔走記では目の病
気はあまり取り扱ってこなかったので、今回取
り上げてみました。
 
さて、この黄斑変性症という病気のお話をする
前に、眼の構造を簡単におさらいしておきます。
眼の構造はよくカメラにたとえられます。眼球
の内側には「網膜」というカメラで言うところ
のフィルムにあたる膜があります。私達は外界
から入って来た光を網膜に投影することでその
事物の像を結ぶ(映像になる)するんですね。
で、その網膜には「視細胞」と呼ばれる光を捉
える、つまり「ものの像を捉える」ための細胞
がぎっしりならんでいて、視細胞で得た映像が
視神経を伝わり脳に到達することで、私達はそ
の事物を認識、つまり「視る」ことができます。
 
これが眼の簡単な構造になります。さて、この
網膜の中心部は黄斑部とよばれ特別な構造にな
っています。細かいものを識別したり、色を見
分ける働きをもった部分で、網膜の中では一番
大切な場所と言えます(ちなみに人が視力1.0
を得るには黄斑部が健全でなければなりません)。
 
この黄斑部に何らかの問題が起こると、周囲は
見えても細かいものの識別ができなくなる、も
のが歪んで見えるなどの症状が起こります。こ
の黄斑の病気の一つに「加齢黄斑変性」があり
ますが、大きく二つのタイプに分かれます。萎
縮型は、黄斑部の視細胞がゆっくりと障害され
ていく病気です。もう一つは滲出型といって黄
斑部の後ろの脈絡膜という箇所にに新生血管と
いう、とてももろくて破れやすく、また漏れや
すいにわか作りの異常血管が発生して、網膜の
視細胞を障害する病気です。萎縮型はゆっくり
進行していく病気ですが、現時点では有効な治
療薬がないので予防のための生活習慣の改善や
サプリメン卜の服用が主体になります。一方の
滲出型は症状が急激に悪くなる場合があります
が、治療法は確立しており、早期の治療で進行
の抑止が可能とされています。
 
この加齢性黄斑変性症ですが、50歳以上の方
に多い病気ですので、『最近物が見えにくい』
や『ものが歪んで見える』などの症状を感じれ
ばすぐに眼科を受診して検査をするようにして
ください。また、加齢性黄斑変性症に罹りにく
い生活習慣、禁煙や紫外線予防、さらに食事バ
ランス(抗酸化ビタミン類であるビタミンE,C,β
カロチン、亜鉛などのミネラルや黄斑を保護す
る作用のあるホウレンソウやブロッコリーを積
極的に摂る)も予防には大切な要因です。
 
この加齢性黄斑変性症ですが、眼科に行くと良
く方眼の中心に黒点を描いたチェックシートが
あります。気になる方も、そしてある程度年齢
を重ねられたらこのシートを試してみるのも大
切ですね。
というところで今週はここまで。
次回もお楽しみにお待ちください。
SEE YOU NEXT WEEK!