【ケアマネの自転車奔走記】連載・第687回。
今日からお盆休み!という方も多いと聞きま
した。皆様いかがお過ごしでしょうか?毎度、
毎度で申し訳ありませんが…ホントに暑い日
が続いていますね。三重でもついに、日中気
温40℃を観測した地域もありました。先日、
定期の診察で病院に行ったところ、いつもな
やや高めの数値の血圧が、98/50㎎/hgという
測定結果。驚いた主治医のオーダーで血液検
査をしましたが、結果は『脱水による塩分消
失』が低血圧の原因だったとの診断でした。
血圧対策で塩分控えめの生活を長く続けてい
ますが、医師から「この夏限定で、塩分は適
切に摂取するように」と申し渡されました。
そしてその日の夕食、実に五年ぶりに冷奴に
醤油をかけて食べました(笑)。
皆様、引き続き熱中症対策は万全にお願いし
ますね。適切な室温管理、水分補給、休養な
ど対策をしっかり取れば、熱中症は予防でき
ます。熱中症警戒情報を必ずチェックし、元
気に夏を楽しみましょう!
では【自転車奔走記】はじまります。
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たきび版:介語苑・73ー127。
【語句】
社会保障(制度)
【意味】
「国民の生活の安定が損なわれた場合」に、
国や地方公共団体などが一定水準の保障を行
う制度(セーフティネット)。
【解説】
今週は公衆衛生活動の「生活習慣病対策」に
ついての振り返りです。ご存知のこととは思
いますが、「生活習慣病」とは、高血圧、糖
尿病、脂質異常症、がん、心疾患、脳血管疾
患など、食事・運動・喫煙・飲酒といった日
々の生活習慣が発症や進行に大きく影響を及
ぼすことが知られている病気を指します。こ
れらの病気は、予防や早期の対策を適切に行
えば、発症や重症化のリスクを大幅に抑える
ことが可能とされています。反面、重症化す
れば長期の療養や生活の質の低下といった個
人・家族の問題だけでなく、生産性の低下や
医療費のさらなる増大といった社会的な問題
にも発展しかねません。ですので、日本では
国や自治体が公衆衛生の立場から、様々な公
衆衛生上の制度や活動を通じて対策を進めて
います。では制度面から見ていきましょう。
制度の柱は「健康日本21(第二次)」という
国の健康づくり運動です。これは厚生労働省
が推進しているもので、国民全体の健康寿命
の延伸を目標に、生活習慣病の予防や重症化
防止、健診受診率の向上など、具体的な数値
目標を設定して取り組まれています。また、
「特定健診・特定保健指導」の制度も重要で
す。この制度は40〜74歳を対象に、メタボリ
ックシンドロームに着目した健康診断と、必
要に応じた保健指導が行われるもので、生活
習慣の改善をサポートして、生活習慣病の発
症リスクの低減を狙うものです。
続いて、地域で実際に展開されている公衆衛
生活動について、いくつか見てみましょう。
身近なものでは地域住民を対象として、各市
区町村の保健センターや保健所が中心となっ
て行われる、健康教室、栄養相談、運動指導
などを挙げることができます。例を挙げると、
ウォーキングイベントや料理教室で須賀、楽
しみながら健康づくりを学べるよう工夫され
ています。また、栄養相談では、保健師や管
理栄養士が一人ひとりの健康状態に応じてア
ドバイスを行う個別相談も行われており、特
に糖尿病などの持病がある方にとっては心強
い支援となっています。また、職場での健康
づくり運動も広がっています。近年は企業に
よる「健康経営」が注目されており、公的な
公衆衛生活動とリンクした形で、従業員の健
康診断後のフォローや、禁煙支援、メンタル
ヘルス対策などが推進されています。一部の
自治体では、地元企業と連携した健康づくり
プロジェクトを行っている例もあります。
このように、日本の生活習慣病対策における
公衆衛生活動は、国の制度設計を基盤に、地
域や職場の現場での活動が連動する形で展開
されていることがご理解頂けたと思います。
生活習慣病は「なってから治す」よりも「な
る前に防ぐ」ことが肝心日々の暮らしの中で、
少しずつでも意識を変えていくことが、健康
への第一歩なのです。
というところで今週はここまで。
次回は「精神衛生」分野での公衆衛生活動を
振り返ります。
お相手は広森でした!
See You Next Week☆