【自転車奔走記】第563回。

【ケアマネの自転車奔走記】連載・第563回。

5月も終盤に入りました。皆様いかがお過ご
しでしょうか?季節としては「初夏」もそろ
そろ終わりに近づいてきました。つまり、そ
ろそろ梅雨入りが近づいてきたという事です
ね。世界的に見ても非常に豊かな水資源を持
つ日本にとって、梅雨は非常に重要な役割を
担っているのは理解していますが、やっぱり
ジメジメ、ジトジトの梅雨は苦手です。蒸し
暑い日も徐々に増えてきています。こまめな
水分補給を忘れず、万全の体調管理をお願い
します。
では【自転車奔走記】はじまります!
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たきび版:介語苑・73―16。

【語句】 
社会保障(制度)

【意味】
「国民の生活の安定が損なわれた場合」に、
国や地方公共団体などが一定水準の保障を行
う制度(セーフティネット)。

【解説】
長期に渡ってお話してきました、日本の社会
福祉における保育・児童福祉「8つの柱」の
お話ですが、いよいよ今回が最後の『非行・
情緒障害児施策』についてとなります。この
施策のお話をする前に、日本においての「児
童」と「少年」の年齢的な定義について少し
触れておきます。そもそもの話ではあります
が、「少年」や「児童」そのものの年齢的定
義を、各法令を横断するかたちで定義してい
る法律(例えば『国民の年齢の呼称に関する
法律(架空です)第△条 児童とは□□歳以下
の者を指す』と言った具合です)は無いんで
すね。実際のところ、児童や少年などの呼称
は、色々な法令ごとにその中でそれぞれ文言
として定義されているという恰好になります。

例えば「児童福祉法」においては『18歳未
満の者』は「児童」とされていますし、「母
子及び父子並びに寡婦福祉法」では『20歳
未満の者』が「児童」となっています。「少
年」という言葉もよく使いますが、法律用語
として該当するのは「少年法」だけで、年齢
も「20歳未満の者」と定義されているので
す。他の法律を見てみると、民法で児童や少
年に該当するのは20歳未満の者で「未成年
者」と呼ばれますし、「子ども・子育て支援
法」では18歳以下(概ね)は「子ども」と
されています。

要は児童という呼び方も、根拠となる法律に
よって呼び方が変わってしまうという事です
ね。では、本題の『非行・情緒障害児施策』
についてお話します。本施策は不良行為(犯
罪も含みます)を行った児童や行うおそれが
ある児童等に対して、心身の健やかな成長が
できるよう支援する施策となります。

まずは①児童自立支援施設です。この施設は、
不良行為を行ったか、あるいはそのおそれが
ある児童、そして家庭環境等の環境上の理由
により生活指導が必要な児童を、入所させた
り、或いは保護者の下から通わせて、必要な
指導を行って自立を支援することを目的とす
る施設です。具体的には、安定した生活環境
を整えることで児童の日常の生活を支えなが
ら、学校に代わっての学習指導や勤労のため
の職業指導などが行われています。また家庭
の状況に応じて親子関係の再構築等を図った
り、退所後の児童に対しても必要な相談や援
助を行っています。

続いては②児童心理治療施設です。この施設
では、心理的問題を抱え日常生活の多岐にわ
たり支障をきたしている子どもたちに、医療
的な観点から生活支援を基盤とした心理治療
を中心に、学校教育との緊密な連携による総
合的な治療・支援を行う施設です。この児童
心理治療施設が援助の対象としているのは心
理(情緒)的、環境的に不適応を示している
子どもとその家族で、子どもの対象年齢は小
・中学生を中心に20才未満となっています。
そして施設への入所(宿泊)や通所は、児童
相談所が適当と認めた場合に「措置」として
決定されます。

以上で、非行・情緒障害児施策についてのお
話はおしまい、そして日本の保育・児童福祉
「8つの柱」のお話も終了となります。今年
の4月から新たに「子ども家庭庁」が創設さ
れて、日本の児童福祉や子供に関する施策も
(ようやくですが)新たな局面に入りました。
ただ、児童福祉の基本は、児童が豊かに幸福
な人生を歩めるように社会全体でサポートし
ていく取り組みですので、私たち大人も一人
一人が当事者としてしっかり関わっていくこ
とが重要ですよね。
というところで、今週はおしまい。

次回からは、社会福祉の4分野の2番目『母
子及び父子並びに寡婦福祉』についてのお話
となります。
では、またお会いしましょう。
お相手は広森でした☆
SEE YOU NEXT WEEK!