【自転車奔走記】第621回。

【ケアマネの自転車奔走記】連載・第621回。

6月最後の日曜日。皆様、いかがお過ごしで
しょうか?明日から7月が始まります。7月
にはオリンピック開幕もありますね。何かと
楽しみですが、まだまだ梅雨は続きます。健
康管理は万全に、そして豪雨への備えなど災
害対策も併せてしっかりお願いします。
では【自転車奔走記】はじまります!
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たきび版:介語苑・73ー71。

【語句】 
社会保障(制度)

【意味】
「国民の生活の安定が損なわれた場合」に、
国や地方公共団体などが一定水準の保障を行
う制度(セーフティネット)。

【解説】
今週も引き続き、公衆衛生としての日本での
母子保健についてお話をします。先週お話を
したとおり、母子保健は、母親と子どもの健
康を守るという公衆衛生の重要な一環として、
さまざまな活動や施策を通じた取り組みが行
われています。

それでは、それらの代表的なものを見ていき
たいと思います。まずは①「母子健康手帳制
度」です。母子健康手帳は母子保健法に定め
られた制度で、『母子手帳』とも呼ばれてい
ます(他の呼び方をしている市町村もありま
す)。母子健康手帳は妊娠5週目以降の女性
に市町村から提供され、妊娠の経過、出産の
様子、小学校入学前までの子供の健康状態や
発達、予防接種などを記録・管理するために
使われます。また、妊娠中の生活や食事の注
意点、子育てに関する情報など、市町村ごと
に様々な情報が記載されています。また妊娠
中の定期健診の助成を受けることもできます。

続いてはその②「妊婦健康診査」です。妊婦
の健康状態を定期的にチェックするための健
診で、妊娠中のリスクを早期に発見し、適切
な対応を行うことを目的としている制度です。
この健診は、母子健康手帳と一緒に受け取る
受診票を使って、妊娠中に最大14回の妊婦一
般健康診査の公費助成を受けることができ、
妊婦家庭の経済的な負担の軽減を図る施策も
併せ持っています。

続いては③「新生児訪問指導」です。この制
度は、出産後に保健師や助産師が家庭を訪問
し、母親と新生児の健康状態を確認し、育児
の相談やアドバイスを提供することで、育児
不安の軽減、新生児の発育・発達をサポート、
母子の健康を維持することを目的としていま
す。これは、新生児すべてを対象としている
のではなく、母子健康手帳と一緒に配布され
る出生連絡票(通知書)の内容などから、訪
問指導が必要と判断された方が対象で、自治
体からの案内があって訪問指導を受けること
ができます(希望者への訪問を行っている自
治体もあります)。因みに、この制度とは別
に2007年から始まった「こんにちは赤ちゃん
事業(乳児家庭全戸訪問事業)」というもの
もあります。こちらは児童福祉法に定められ
た事業で、生後4か月以内の全新生児、乳児
を対象としているのが一番の違いです。

訪問するのは母子保健推進員や児童委員、子
育て経験者など自治体で登録したスタッフで、
健康状態や養育環境の確認や助言、そして子
育ての悩み事の相談、母子の社会的な孤立を
防ぐなど近年多く発生している乳幼児の虐待
防止の面が強い制度となっています。
というところで、今週はここまで。
次回も引き続き母子保健についてのお話にな
ります。
では、またお会いしましょう。
お相手は広森でした!
SEE YOU NEXT WEEK☆