【ケアマネの自転車奔走記】連載・第608回。
3月最後の日曜日。皆様、いかがお過ごしで
しょうか?今年は雨の多い3月になりました
ね。先日は久しぶりに“春雷”を聞きました。
雷自体はあまり気持ちの良いものではないで
すが、春雷と同様に梅雨明け間近の雷、秋か
ら冬へかけての雷「秋雷」など、雷が鳴ると
季節が変わるというイメージがワタシにはあ
ります。いわばラジオ番組でいうジングルの
季節版ですね。
さて、明日から4月。暦上では春本番になり
ますが、引き続き体調管理は万全にお願いし
ます。では【自転車奔走記】はじまります!
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たきび版:介語苑・73ー58。
【語句】
社会保障(制度)
【意味】
「国民の生活の安定が損なわれた場合」に、
国や地方公共団体などが一定水準の保障を行
う制度(セーフティネット)。
【解説】
今週も引き続き保健所の事業についてお話し
ます。早速②の「健康危機管理」から。健康
危機管理というやや見慣れない言葉が出てき
ましたので、まずはこれについてお話します。
健康危機管理とは、「医薬品、食中毒、感染
症、飲料水その他何らかの原因により生じる
国民の生命、健康の安全を脅かす事態に対し
て行われる健康被害の発生予防、拡大防止、
治療等に関する業務であって、厚生労働省の
所管に属するものをいう。(平成13年厚生労
働省健康危機管理基本指針)」となります。
これを読んで一連の新型コロナウイルス感染
症対策を思い浮かべる方も多いと思いますが、
まさにその通り!で、健康危機管理とは、広
域的に発生する健康被害への対応(予防、治
療、拡大防止)全般を指すものと考えていた
だければOKです。健康危機管理対象となる
事象はかなり幅が広く、新型コロナウイルス
感染症や鳥インフルエンザなどの感染症は勿
論の事、O-157などの集団食中毒、東日本大
震災や今年1月の令和6年能登半島地震、台
風による水害や火山噴火などの大規模自然災
害、そして大規模テロなどの犯罪も健康危機
管理の原因として扱われています。
つまり、不特定多数の国民に健康被害が発生
する、拡大の恐れがある場合は健康危機管理
として公衆衛生上の対応が取られるという事
になります。そしてこの健康危機管理上、保
健所は地域の拠点として位置づけられていて、
被害者の医療の確保や原因の究明、被害拡大
の防止などの直接関係する対策に加え、被害
を受けた住民への健康診断やPTSD対策など
の心のケア、加えて小児や障害者・高齢者な
どの災害弱者への対策なども担っています。
このことからわかるように、健康危機管理上
の保健所の役割は、地域住民へ直接医療や保
健のサービスを提供することではなく、医療
機関や市町村の保健センター等の活動を調整
して、必要な保健・医療のサービスが必要な
住民へ届くような仕組み作りを主体となって
行うことが求められています。いわば、地域
の司令塔の役割ですね。ただ、新型コロナウ
イルス感染症では保健所が地域の感染対策の
前線に立ち司令塔としての役割を果たしてい
た反面、業務の集中による保健所全体の機能
不全が起こっていたことも確かで、大規模な
パンデミックにも対応出来得るための対策や
機能強化、体制の見直が進められています。
というところで今週はここまで。
次回は③健康増進と病気の予防についてお話
します。ではまたお会いしましょう。
お相手は広森でした!
SEE YOU NEXT WEEK☆