【自転車奔走記】第579回。

【ケアマネの自転車奔走記】連載・第579回。

夏の延長のような9月の日曜日、皆様いかが
お過ごしでしょうか?近頃「地球沸騰化」と
いうワードが注目を浴びました。「温暖」で
はなく「沸騰」という過激なワードを使うこ
とで、近年の異常高温化した地球環境への警
鐘を鳴らしているものです。その流れで、日
本も四季ではなく「二季」になるのでは?と
いう予測も出ています。つまり、春や秋がだ
んだんなくなって、夏と冬という二極化した
気候になるのでは…という意味です。世界各
地には様々な気候風土がありますが、実はそ
の土地の気候風土は、その土地に根付く文化
と密接に関係しているという学説があります。
その意味で考えると、二季化した日本はどの
ような文化的変遷を遂げるのか?面白そうで
はありますが、よく考えるとちょっと寒気が
するようなお話ですよね。

さて、暑さはまだまだ続きます!引き続き暑
さ対策は万全に、そして暑さに合わせた生活
パターンの工夫、こまめな水分補給と室温管
理を欠かさず、熱中症の対策は引き続き行っ
て下さい。食中毒などの衛生対策もお願いし
ます。では【自転車奔走記】はじまります!
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たきび版:介語苑・73ー32。

【語句】 
社会保障(制度)

【意味】
「国民の生活の安定が損なわれた場合」に、
国や地方公共団体などが一定水準の保障を行
う制度(セーフティネット)。

【解説】
今週からは「公的扶助」のお話です。初回で
すので、まずは公的扶助の概要についてから。
公的扶助制度は社会保障制度の一つで、社会
保険制度と同様に国民や住民生活を保障する
ためのものです。おさらいになりますが社会
保険制度は、被保険者があらかじめ保険料を
拠出し、生活上の困難がもたらす一定の事由
(保険事故)に対して保険者が、公的医療保
険や、年金、労災などの形で給付を行う公的
な制度です。

その機能の結果として防貧的機能、つまり貧
困状態になることを防ぐ機能を有していると
言えます。対して公的扶助制度は、国民の健
康と生活を最終的に保障する制度として位置
づけられています。その特徴として、①貧困
・低所得者を対象としていること②最低生活
の保障を行うこと③公的責任で行うこと④資
力調査あるいは所得調査をともなうこと⑤租
税を財源としていること⑥救貧的機能を有し
ていること、等を挙げることができます。

さてここで「資力調査」と「所得調査」とい
う文言が出てきました。「資力調査」とは公
的扶助制度において対象となる者に受給資格
があるかどうかを判断するために行政が行う
調査を指します(『ミーンズテスト』とも呼
ばれています)。主調査対象となるのは、対
象者が実際に保有している貯金や債権、資産
活用能力などです。対して「所得調査」とは、
国保組合被保険者の所得水準に応じた適切な
国庫補助金を算定するために、厚生労働省が
全国保組合に対して定期的に実施している調
査のことを指します。日本での公的扶助制度
ではこの2つの調査が重要な意味を持ってい
て、資力調査を要件とするのが貧困者対策で
あり、所得調査(制限)を要件とするのが低
所得者対策となります。貧困者対策には、憲
法でさだめられている生存権を実現する生活
保護制度が主なものとなります。生活保護制
度は、生活に困窮している国民すべてに対し、
憲法25条で定められている「健康で文化的
な最低限度の生活」を保障する制度で、その
上で積極的にそれらの人々の社会的自立を促
進する相談援助・支援活動を行うよう定めら
れています。

低所得者対策には、公的扶助と社会保険の中
間的性格を持つ社会手当制度や低所得世帯や
障害者,高齢者,失業者世帯などを対象とし
て生活資金の貸付を行う生活福祉資金貸付制
度、そして低所得層を中心に住宅を提供する
公営住宅制度等があります。

以上をまとめると、日本での公的扶助制度は
貧困者対策としての(1)生活保護制度、そ
して低所得者対策としての(2)社会手当制
度(3)公営住宅制度(4)生活福祉資金貸
付制度の4つに分かれることが分かりますね。
というところで今週はここまで。
次回連載は公的扶助制度の具体的内容につい
て(1)生活保護制度から見ていきましょう。

では、またお会いしましょう。
お相手は広森でした!
SEE YOU NEXT WEEK☆