【ケアマネの自転車奔走記】連載・第507回。
3月も最後の日曜日になりました。皆様、いかがお
過ごしでしょうか。週末からは4月に。新年度に向
けて何かと忙しさがピークに達していると思います。
そんな時こそ、体調管理には十分ご注意下さい。ま
た、年度の変わり目の時期は人流や交流が活発にな
りますので、新型コロナウイルスについても引き続
き注意が必要な状況です。基本的感染症対策の徹底
をお願いして、年度末の忙しい時期も元気に乗り切
りましょう!
では【自転車奔走記】はじまります!
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たきび版:介語苑・72-11。
【語句】
睡眠障害
【意味】
睡眠に関連した多種多様な病気の総称。 不眠症や過
眠症、中途覚醒や入眠障害などがある。
【解説】
今週は不眠症の種類や原因についてお話をします。先
週お話したとおり不眠症の診断にはしっかりとした基
準がありますが、同様に不眠の種類にもいくつかの分
類がなされていますので、まずはそのお話から。不眠
症は4つのタイプに分けられ、①寝つきの悪い「入眠
障害」、②眠りが浅く途中で何度も目が覚める「中途
覚醒」、③早朝に目が覚めてしまう「早朝覚醒」、④
ある程度眠ってもぐっすり眠れたという満足感(休養
感)が得られない「熟眠障害」です。この4つのタイ
プは単独で出現することもあれば、組み合わせでも出
現する場合もあります。また、不眠の対応や治療の第
一歩として、自身の不眠のタイプをしっかり把握する
ことが重要とされています。では細かく見ていきまし
ょう。
①の「入眠障害」ですが、体は疲れていて眠りたいと
思っているのに、床に入ってから眠りにつくまで1〜2
時間ほどかかってしまうタイプです。『寝つきが悪い』
状態ですが、その症状が原因で苦痛を感じたり、睡眠
時間が十分確保できずに日中活動に支障を生じると睡
眠障害が疑われます。②の「中途覚醒」ですが、不眠
症のタイプでは一番多いものだそうです。一旦寝付い
た後にトイレなどで起きることは誰でもありますが、
この中途覚醒では寝付いた後何度も目が覚め、そのま
ま眠れないという症状です。このような日が続くと睡
眠不足で生活に支障をきたしたり、眠れないことで精
神的な苦痛を感じるようになり睡眠障害と診断される
場合があります。③の「早朝覚醒」は、意図しない時
間に起きてしまい、再び寝ようとしてもなかなか寝つ
けないという睡眠障害を指します。具体的には希望の
起床時刻よりも2時間以上早く目が覚めてしまいその
後眠れずに起きて活動するという状態を指しますが、
起床後の日中にいつも通り活動できていれば問題あり
ません。
ただし、早朝覚醒後の日中に眠気や疲労感を伴う場合
は、睡眠障害が疑われます。最後の④「熟眠障害」は、
睡眠時間は充分であるにもかかわらず、眠りが浅く熟
睡感がありません。昼間につよい眠気があり、疲れ・
肩こり・頭痛などに悩まされますが、本人が気づきに
くいことも多い症状です。ただ、『熟眠(熟睡)』と
いう状態は主観的で数値化、定量化が難しいので、現
在の診断基準では不眠症状のカテゴリーからは除外さ
れているようです。このように睡眠障害(不眠症)と
いっても色々なタイプがあるのがご理解いただけたと
思います。で、これらの睡眠障害はストレスや疾病な
ど様々な要因や原因から誘発されますが、それについ
ては来週のお話で見ていきましょう。
では、またお会いしましょう。
SEE YOU NEXT WEEK!