【ケアマネの自転車奔走記】連載・第491回。

ケアマネの自転車奔走記】連載・第491回。

11月中日の日曜、皆様いかがお過ごしでしょうか。
この一週間、三重は雨の多い秋には珍しいはっきりしない天気が続いていました。
朝晩の冷えこみに加え、日中も日差しは暖かですが空気が冷たくなっているのが実感できます。
いよいよ秋も晩秋にさしかかる気配ですね。
体調には十分ご注意下さいませ。

今年も残すところ1か月半、コロナに明け暮れた大変な一年でした。
今年の年末こそ、コロナ禍以前の平穏な日常に戻り、新しい年を迎えたいですね。
そのためにも感染防止対策は引き続き万全にお願いします。
また、インフルエンザワクチンの予防接種ですが、ワクチンが品薄になっている様子で各医療機関での確保に時間がかかっているという話を耳にします。
可能な限り早めの接種をお願いします。
では【自転車奔走記】はじまります!

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たきび版:介語苑・69-37。

【語句】 
栄養

【意味】
ヒトや動物など、生物が自分以外の外界から食物を得て、生長し、活力を保ち続ける身体の営みのこと。

【解説】
今週からは「栄養」について今までお話してきた事について、簡単なまとめをお話していきます。
まずは「栄養」という文言の持つ意味について。
ふつう「栄養」と聞くとついつい食品等の成分であったり、カロリー量であったり、あるいは人が必要とするエネルギーの概念的な意(「養分」という言葉に近いですかね)であったりと、色々な事柄を想起されると思います。
ですが「栄養」という言葉の本義は、「生物がその生命を保ち、またその体を生育してゆくために、必要な成分を体外の物質からとり入れること」という生物の持つ動的な、或いは生物が生きるために必要とする営みを指します。

ですので、栄養のお話は、栄養成分のことではなく、生物がその生命を健康に維持するために必要な成分(栄養素)は何であり、どのように活用され、そしてどのくらいの量が要るのかをしっかり知ることがポイントになります。
栄養不足という言葉を聞くと単純に活動エネルギー不足による生育不全や活動失調を思いがちですが、亜鉛の不足による味覚障害もれっきとした「栄養不足」に該当する、そういう意味ですね。
では、人間にとって必要な栄養素は何か?というお話になります。人間にとって必要な栄養素は3つのカテゴリーで考えると分かり易いです。

①身体を動かす役割を持つもの
②身体を作り維持する役割を持つもの
③身体や生命の活動を調整する役割を持つもの

です。
①はいわば燃料に相当するもので、主に糖質(炭水化物)や脂質が該当します。
②はタンパク質や脂質(の一部)が該当、そして③にはビタミン、ミネラルがそれぞれ当てはまります。
糖質、脂質、タンパク質、ビタミン、ミネラル、これらの栄養素が【5大栄養素】と総称されるもので、この五大栄養素をしっかり、必要十分な量で摂取することが栄養という身体の営みの基本であり、その到達点になります。
ですが、人間というか生物の特徴は栄養素は基本的に自己生成できず、外部から取り入れる必要があるという点です。要するに「人は霞を喰って生きられるわけではない」という事。
実はこれが栄養についての一番の問題点でもあります。

人はそれぞれ好みの味覚がありますし、好き嫌いもあります。
加えてその人の住まう地域や生活習慣、生育歴やその年代、さらには社会条件や経済条件などの様々な条件によって人体外部からの栄養素摂取、つまり「食事」の内容が変わり、どうしても栄養素の偏りや過不足が生じ、それが栄養という営みに様々な影を与えます。
栄養の営みをパーフェクトに運営しようと思えば、機械が燃料と潤滑油、消耗部品を定期的に補給すれば作動するといった具合に、生物に必要な栄養素を必要な量だけ補給すればよいとなりますが、そうはいかない。
人の食事とは、食物という無限に近いくらいの数の栄養素含有物を、千にも万にも達する調理方法を駆使し、かつ個人が持つ嗜好や社会・経済条件に左右されるなかで摂らないといけない。
いわば限りない選択の自由のなかでベストチョイスをしなくてはいけないことになります。栄養素の偏りや過不足が出ない方が不思議ですよね(だからこそ人が人たるとも言えます)。
だからこそしっかりとした栄養の知識を持つことは栄養の羅針盤として重要な意味を持つのです。

というところで今回はここまで。
次回もまとめの続きになります。
では、良い日曜日をお過ごしください。
SEE YOU NEXT WEEK