【ケアマネの自転車奔走記】連載・第683回。
梅雨明け宣言後、厳しい暑さが続く7月の日
曜日。皆様いかがお過ごしでしょうか?先日
のこと。車で移動中に野球場から元気な応援
歌と歓声が聞こえてきました。夏の甲子園の
予選が始まっていますね。仕事中だったので
球場を覗くことはできませんでしたが、球児
の皆様の熱い健闘を応援します!!
さて今年の三重県予選は、熱中症対策として
午前・午後の完全2部制で行われています。
球児の方は勿論ですが、皆様も熱中症には十
分に注意してお過ごしくださいね。熱中症や
気温の情報は随時発出されていますので、チ
ェックもお忘れなく。
では【自転車奔走記】はじまります!
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たきび版:介語苑・73ー123。
【語句】
社会保障(制度)
【意味】
「国民の生活の安定が損なわれた場合」に、
国や地方公共団体などが一定水準の保障を行
う制度(セーフティネット)。
【解説】
今週からは公衆衛生における「災害・新興感
染症・危機対応関連」の振り返りになります。
では、早速「災害」分野を。
日本の公衆衛生分野における災害関連対応や
施策は、地震・津波・台風など自然災害の多
発する国柄を反映して、極めて体系的かつ多
層的に整備されています。最初は法整備から。
災害対策の基本となるのが「災害対策基本法」
になります。この法律は、災害時における国
・自治体・関係機関の責務を定めた基本法に
なりますが、同法では、保健医療の提供体制、
避難所の生活環境整備、感染症対策など公衆
衛生分野の重要事項についても定めがなされ
ています。そして都道府県、市町村が作成す
る「地域防災計画」があり、より地域の実情
に即した具体的な防災計画があり、医療・公
衆衛生・福祉などの具体的な対応(例:避難
所における医療提供体制、福祉的な支援を要
する場合の対応等)について、分野横断的に
計画されています。
続いては、災害時の公衆衛生活動についてで
す。災害時における公衆衛生活動は、主に被
災者を対象とした活動になってきます。災害
によってインフラや医療機関、公共機関との
アクセスが切断されてしまった場合、被災者
の健康を守り、二次被害を防ぐことは非常に
重要テーマですので、避難所や地域での感染
症予防、環境衛生、食品衛生、そして被災者
のメンタルヘルスケアなど様々な分野におい
て公衆衛生的な活動が必要となります。具体
的には、〇災害派遣医療チームや保健師によ
る健康相談・衛生指導・感染症対策、〇避難
生活の衛生基準ガイドライン(厚生労働省)
に基づいたトイレや入浴環境、水の確保、ゴ
ミ処理、密集の防止などの対策、〇感染症の
発生の防止や高血圧・糖尿病など慢性疾患患
者への支援・対応、〇被災者や支援者の心的
ストレス・PTSDなどメンタルヘルス対応、
などを挙げることができます。そして地域の
保健所が、衛生管理、疫学調査、健康危機対
応の中核機関となり、国や周辺地域の応援や
連携を受けながら災害時の公衆衛生活動を広
域的に実施していく体制が整えられています。
このように、災害時での公衆衛生活動は、被
災者の健康を守り、二次災害(災害関連死な
ど)を防ぐために重要な役割を担っているの
です。というところで今週はここまで。
次回は「新興感染症対策」での公衆衛生活動
について振り返ります。
では、またお会いしましょう。
お相手は広森でした!
See You Next Week☆