【自転車奔走記】第674回。

【ケアマネの自転車奔走記】連載・第674回。

大型連休も終わり日常が戻った日曜日、皆様
いかがお過ごしでしょうか?GW期間中は概
ね天候にも恵まれたようで、旅行や行楽など
を満喫された方も多いと思います。気持ちを
新たに、毎日を過ごしていきましょう。寒暖
差がまだまだ大きく、ワタシの周りでも体調
を崩している人が増えています。健康管理は
万全にお願いします。言わずもがなですが、
水分補給はしっかりと、食中毒など衛生にも
お気を付け下さい。
では【自転車奔走記】はじまります!
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たきび版:介語苑・73ー115。

【語句】
社会保障(制度)

【意味】
「国民の生活の安定が損なわれた場合」に、
国や地方公共団体などが一定水準の保障を行
う制度(セーフティネット)。

【解説】
今週からは公衆衛生の様々な施策や制度につ
いての振り返りになります。まずは「感染症
対策」から。感染症対策は日本の公衆衛生政
策の中核を成してきた分野で、明治期以降で
は国家的衛生行政の展開、戦後になると保健
所体制の確立や新興感染症への対応など、国
民の健康や社会の安定を守る土台として位置
づけられてきました。その理由は、感染症は
個人の疾病であると同時に感染、つまり集団
への影響を及ぼすことで、日本では早くから
法令による制度的対応が進められてきた歴史
があります。

では、日本の感染症対策を支える主な制度を、
目的・内容別に整理して振り返ってみますね。
最初は「感染症法」です。感染症を「1類~5
類」「新型インフルエンザ等感染症」「指定
感染症」「新感染症」に分類して、各類型に
応じた届出や入院勧告、就業制限などの行政
措置を定めているものです。記憶に新しい所
では2021年の法改正により新型コロナウイル
スへの対応や罰則の見直しが盛り込まれてい
ます。

続いては「検疫法」です。これは海港・空港
において感染症の国内侵入を防ぐため、検疫
官による健康確認・隔離・停留などの措置を
定めた法律で、指定感染症に対する水際対策
の基本法として機能しています。因みにです
が、検疫・保健については国際的な規則があ
り、WHOが定めた「国際保健規則(IHR)」
もその一つです。この規則の主な目的は、疾
病の国際的伝播を最大限に防止しつつ、国際
交通に与える影響を最小限に抑えることとな
っていて、日本の検疫法・検疫体制はこの国
際保健規則との整合性のもと、国際協調に基
づいた施策が展開されています。

続きましては「予防接種法」です。感染拡大
の防止と重症化予防を目的とし、麻疹、風疹、
結核、などの定期予防接種を定めたもので、
予防接種については市町村が接種機会を提供
することが定められています。特筆すべきは、
臨時接種(パンデミック時等)の制度も規定
されており、コロナ禍で実施された新型コロ
ナウイルス感染症ワクチンの接種も、この枠
組みで実施されました。

そして「感染症指定医療機関制度」も重要な
制度です。この制度は感染症法に基づいて運
用されるものですが、感染症患者の診療・隔
離を担う医療機関を、1類〜5類の感染症ごと
に指定して実施する制度で、感染症の重症度
・感染力に応じた医療体制の確保を目的とし
ています。感染症指定医療機関は第1種(エ
ボラ出血熱等)と第2種(結核、SARS、新
型インフルエンザ等)に分けられています。

以上、代表的なものをお話してきましたが、
これらの他にも感染症法に基づき、全国の医
療機関や保健所を通じて感染症の発生状況を
常時監視する「感染症サーベイランス制度」
やコロナ禍でよく見聞きした「新型インフル
エンザ等対策特別措置法(新型インフルエン
ザ等のパンデミック時に、緊急事態宣言の発
出、外出自粛要請、施設使用制限などの特例
措置を可能とする法律」、結核対策、HIV/AI
DS対策も重要な公衆衛生としての感染症対策
ですね。というところで今週はここまで。

次回も公衆衛生の施策・制度について振り返
りを続けます。では、またお会いしましょう。
お相手は広森でした!
See You Next Week☆