【自転車奔走記】第504回。

【ケアマネの自転車奔走記】連載・第504回。

3月最初の日曜日、皆様いかがお過ごしでしょうか?
日増しに暖かく春めいていく楽しさと、年度末の慌た
だしさが同居する時期ですね。冬季パラリンピックは
熱戦がはじまりました。そしてもうすぐ球春もやって
きます。スポーツなどで体を動かしたり、行楽などの
外出が楽しい時期になってきましたが、新型コロナウ
イルスについては残念ながら引き続き警戒が必要な状
況です。感染対策の肝は個人個人の地道な感染予防対
策です。基本的感染症対策の①こまめな手洗い②換気
③密の防止④不要不急の外出を控える、これらの対策
の徹底を続け、感染の拡大を防ぎましょう!

では【自転車奔走記】はじまります!
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たきび版:介語苑・72-8。

【語句】
睡眠障害

【意味】
睡眠に関連した多種多様な病気の総称。 不眠症や過眠
症、中途覚醒や入眠障害などがある。

【解説】
今週はレム睡眠とノンレム睡眠についてお話します。い
ままでのお話で、睡眠というものは単に体を休めるため
のものではなく、睡眠中に身体や脳のメンテナンス等を
行う活動的な状態であること、ヒトを始め生物は体内時
計と呼ばれる生体リズムを持っていて、睡眠や覚醒に伴
うホルモンの分泌などの活動はそのリズムに沿って動い
ていることなど、睡眠の持つ身体的活動面について見て
きました。

今回は睡眠そのもののついてのお話になります。睡眠は
決して「脳全体が一様に休んでいる状態」ではないこと
はお話しましたが、私達が眠っている間にも脳活動はさ
まざまに変化することが知られています。その変化がノ
ンレム睡眠とレム睡眠と呼ばれるもので、睡眠はこの二
つの状態で構成されています。「ノンレム睡眠」とはい
わば普通の眠り、私達がイメージするぐっすり眠るとい
う状態で、この状態下ではほとんど眼球運動がみられま
せん。またノンレム睡眠では脳活動が休まり、交感神経
の活動も休息して心拍数や呼吸数、血圧が低下します。

ノンレム睡眠は睡眠の深さでN1、N2、N3の3段階に分か
れており、一般的にはN1とN2は浅い眠り、N3は深い眠
りに分類されています。一方のレム睡眠は浅い眠りで眼
球が良く動き、脳も活動している状態で、脳波を見ると
覚醒しているときに近い脳の状態となっています。この
脳活動の違いは睡眠の内容に関わっていて、深いノンレ
ム睡眠では昼間に酷使した大脳皮質を睡眠前半で集中的
に冷却し休養を取らせる。そしてレム睡眠では全身の筋
肉が弛緩し、エネルギーを節約して身体を休める、とい
う具合になっています。

さて、このノンレム睡眠とレム睡眠ですが、睡眠中はサ
イクルを構成しています。どのようなサイクルか?とい
と、基本的にはノンレム睡眠→レム睡眠→ノンレム睡眠
というサイクルですが、もう少し細かく見てみます。睡
眠の前半には深いノンレム睡眠が出現し、この時期に集
中して脳を休養させます。深いノンレム睡眠も時間の経
過に伴って徐々に浅くなりレム睡眠の状態に変化します。
ただ、睡眠前半ではレム睡眠状態の時間は短く、あっと
いう間に再び深いノンレム睡眠になりますが、その時間
は最初のノンレム睡眠に比べて短くなります。そして再
びレム睡眠に至るわけですが、ノンレム睡眠とは逆にレ
ム睡眠はサイクルを重ねるごとに時間が長くなっていき
ます。そして睡眠の後半になるとノンレム睡眠は浅く短
くなっていきますが、レム睡眠は一回の時間が長く出現
するようになります。この時期のレム睡眠は脳が働いて
夢をみることや、血圧や脈拍の変動などの身体の働きも
みられ、覚醒するための準備をしている睡眠とも言われ
ていて、やがて私達は覚醒、つまり眠りから覚めて活動
を始めるという具合になります。このように、ノンレム
睡眠とレム睡眠はサイクルを作って出現する事、そして
それぞれで、その身体の状態や目的が違うという事をご
理解いただければOKです。

さて、長くなりましたが、これにて睡眠のメカニズムや
役割についての大まかなお話はおしまいとなり、次回か
ら本題の睡眠障害のお話に移ります。睡眠のメカニズム
についての今までのお話を思い出しながらお読みいただ
ければ助かります。
では、またお会いしましょう。
SEE YOU NEXT WEEK!