【ケアマネの自転車奔走記】連載・第642回。
9月の折り返し、そして連休中日の日曜日で
す。皆様いかがお過ごしでしょうか?今年の
秋連休は分散型になってしまいましたが、そ
ろそろお彼岸の季節になってきた…筈なんで
すが、まだまだ暑さが続きますね。熱中症対
策は引き続きしっかりお願いします。そして
防災対策も忘れずに!
では【自転車奔走記】はじまります!
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たきび版:介語苑・73ー82。
【語句】
社会保障(制度)
【意味】
「国民の生活の安定が損なわれた場合」に、
国や地方公共団体などが一定水準の保障を行
う制度(セーフティネット)。
【解説】
今週からは、日本の公衆衛生における「食品
衛生」についてお話をしていきます。まずは
「食品衛生」とは何か?について。食品衛生
とは、食品の製造、加工、流通、調理、保管
などの過程での衛生的な管理を通じて、消費
者に安全で健康的な食品を提供することを目
的とした一連の取り組みを指します。日本で
は「食品衛生法」などの法律によって、様々
な規制や対処が行われています。例えば食品
の管理方法や食中毒への対処、営業許可など
多岐に渡りますが、今回のテーマである公衆
衛生の観点から見ると、食品衛生は私たちに
とって次のような役割を果たしています。
①は「食中毒の予防」です。残暑が厳しいこ
の時期はまだまだ油断できませんが、食品に
起因する病原菌や有害物質の発生を防ぐこと
は、公衆衛生上の重要な課題となっています。
食品の衛生的な調理や保存、適切な温度管理
などを通じて安全性を確保し、食中毒の発生、
そして発生リスクを最小限に抑えることが求
められていて、事業者単位での対策から規模
又は広域的な食中毒の発生・拡大防止のため、
国や都道府県等が相互に連携・協力する体制
など様々な取り組みがされています。
続いては②「感染症の拡大防止」です。これ
は食中毒の中でも細菌やウイルスに由来する
ものに関するものです。食品を介した感染症
の拡大を防ぐことは、地域社会の健康維持に
直結する重要な課題と言えます。特にノロウ
イルスやサルモネラ菌、カンピロバクターと
いった食品由来の病原体は集団感染を引き起
こすことがあり、その予防は公衆衛生の中心
的な課題とされています。
③は「食の安全性と消費者の信頼確保」です。
安全で栄養豊富な食品を提供することは、消
費者の健康を守るだけでなく、食品に対する
信頼を確立するためにも重要です。適切な表
示や成分情報の提供は、アレルギーを持つ消
費者や特定の栄養ニーズを持つ人々にとって
必要不可欠のものになっていることは周知の
事柄だと思います。
食の安全性に関わるのが④「食品の品質管理
と基準の遵守」になります。食品衛生上、生
産事業者を含む食品関係の事業者は、食品が
有害物質や異物から保護され、消費者の健康
を守るために必要な品質管理の一環として、
農薬や抗生物質、添加物などの基準を守るこ
とが求められています。
⑤の「グローバルな食の安全」も近年ますま
す重要度を増してきています。食品流通もグ
ローバルになっている近年、輸入食品の安全
性を確保することも公衆衛生の重要な一環と
なっています。国際基準に基づいた検疫や検
査、監視体制の強化は、国内外の食品安全に
対する消費者の信頼を高めるために重要です。
因みに、食品衛生法では、輸入食品でも国産
品でもまったく同じ基準(残留農薬、食品
添加物、微生物など)が適用されていますの
で、ご安心下さいね。
そして最後は⑥「食品廃棄物の管理と持続可
能性」を挙げることができます。食品廃棄物
の適切な管理とリサイクルの促進は、公衆衛
生的にみても非常に重要な課題ですが、近年
その重要性が指摘されるSGDsに代表される
環境保護や持続可能性の観点からも重要です。
食品ロスの削減は、公衆衛生と環境の両方に
貢献していくことが求められていますね。こ
のように。食品衛生は、公衆衛生の重要な
一部であり、社会全体の健康を維持し、感染
症の予防や健康の促進、食品の安全性の確保
に貢献していることがご理解いただけたと思
います。
というところで今週はここまで。
次回は、日本における食品衛生の様々な課題
を見ていきたいと思います。
では、またお会いしましょう。
お相手は広森でした!
SEE YOU NEXT WEEK☆