【ケアマネの自転車奔走記】連載・第530回。
秋分の日も終わった日曜日、皆様いかがお過ごしで
しょうか?これからは秋の日はつるべ落としの謂れ
とおり、だんだん日が短くなって、一層秋の深まり
を感じることが出来そうですね。ですが、まだまだ
天気は不安定です。当分の間はこまめな水分補給や
室温管理など、脱水症や熱中症の予防を続けて下さ
い。また、体調を崩しやすい時期でもありますので、
健康管理には十分注意して下さい。新型コロナウイ
ルス感染症についても、引き続き基本的な感染予防
対策の徹底をお願いします。
では【自転車奔走記】はじまります!
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たきび版:介語苑・72-33。
【語句】
睡眠障害
【意味】
睡眠に関連した多種多様な病気の総称。 不眠症や過
眠症、中途覚醒や入眠障害などがある。
【解説】
今週は『睡眠12箇条』第5条についてお話します。
第5条
年齢や季節に応じて、
昼間の眠気で困らない程度の睡眠を。
(解説)
ここでは、睡眠時間の考え方について非常に重要な
視点を述べています。日本の成人の睡眠時間は6 時
間以上8 時間未満の人がおよそ6 割を占め、これが
標準的な睡眠時間と考えられます。加えて睡眠時間
は、日の長い季節では短くなり、日の短い季節では
長くなるといった変化を示すことも知られています。
また、『歳を取ると朝が早くなる』や『長寝ができ
なくなる』といったお話を聞いたことがありません
でしょうか?夜間に実際に眠れる時間、つまり一晩
の睡眠の量は、成人してからは年をとるにつれ徐々
に減っていきます。具体的には夜間の睡眠時間は10
歳代前半までは8 時間以上、25 歳で約7 時間、その
後20 年経って45 歳には約6.5 時間、さらに20 年経
って65 歳になると約6 時間という数値を示していま
す。このことは、健康で病気のない人では、睡眠時
間は20年ごとに30分ぐらいの割合で減少していく
ことを示していますね。一方で、夜間に寝床で過ご
した時間は、20〜30 歳代では7時間程度ですが、中
年以降では長くなり75歳では7.5時間を越えるという
資料もあります。つまり、これを加齢による睡眠時
間の減少と併せて考えると、年をとるにつれて中途
覚醒が増えたり、なかなか寝付けなかったりなどの
睡眠の質の低下が生じているとも考えられます。
さらに、年をとると徐々に早寝早起きの傾向が強ま
り、生活が朝型化することが知られていますが、こ
の加齢による朝型化は男性でより強いことも分かっ
ています。これらのデータから、人間は年をとるに
したがって睡眠時間が短くなり、中途覚醒や寝つき
が悪くなるなどの熟睡感の喪失や生活の朝型化が起
こってしまうものであるという事が示唆されます。
そして、この事実を踏まえてもう一度、第5条を読
んでみてください。この条の本当の趣旨は、睡眠時
間をこれが健康的に正しいと絶対視することについ
て、「ちょっと待って!」と注意を呼び掛けている
んですね。先したような様々のデータから考えると、
個人差は当然ありますが人間にとって必要な睡眠時
間は6 時間以上8 時間未満のあたりにあると考える
のが妥当であるという事なんです。この睡眠時間の
6~8時間という数字は少しアバウトに思われるかも
しれませんが、事実として世代を問わず健康維持の
ために絶対必要な睡眠時間というものは存在せず、
睡眠時間を絶対視して不安に思う事も必要ないので
す。確かに睡眠と健康は密接に関係しています。で
すが、だからといって必要な睡眠時間以上に長く睡
眠をとれば健康になるのか?と言われると、睡眠時
間と生活習慣病やうつ病との関係などからもいえる
ことですがそういうわけではないのです。
ですので、私たちは年をとると、睡眠時間が少し短
くなることは自然であることと、日中の眠気で困ら
ない程度の自然な睡眠が一番であるということを知
っておくことが大切ですね。
というところで今週はここまでとします。
次回もどうぞお楽しみに。
SEE YOU NEXT WEEK!