【ケアマネの自転車奔走記】連載・第700回。
暖かな秋が続いていますね。冬の足音はまだ
まだ先になりそうな11月の日曜日。皆様、い
かがお過ごしでしょうか?先週、毎年恒例の
全日本大学駅伝対校選手権大会が愛知~三重
を跨いで開催されました。コース沿道ではた
くさんの観客、中継所では各校の応援団が声
を張り上げて選手を応援しています。私を始
め、三重県民が楽しみにしているイベントの
一つですね。丁度この時期にはNPB、そして
MLBでもペナントレースが終わっていて、ス
ポーツ界もオータム・ウインタースポーツが
賑やかになってきます。私にとってこの大学
駅伝は、秋の深まり、冬の訪れを感じること
ができる一つのイベントなんですが、今年は
気候が追い付いていませんね(笑)。
今月も天気は周期的に変わるようで、スカッ
とした秋晴れの日は少なそうです。風邪予防、
体調管理には十分ご注意下さい。予防接種が
まだの方は、早めにお願いします。
では【自転車奔走記】はじまります!
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たきび版:介語苑・76。
【語句】
マネープラン
【意味】
結婚、出産、住宅購入、老後資金など、人生
のイベントで必要となるお金について、いつ、
いくら必要になるかを具体的に計画し、資産
形成の方法まで含めて考えるお金に関する計
画。(類)ライフプラン:人生の計画・生き
方の展望。
【解説】
今週から短期連載として『日本社会がたどっ
てきた〈老い〉と〈お金〉の文化史』が始ま
ります。今週はその前説ということで。
私は、高齢者福祉とお金の関係について、長
年興味を持って調べたり、考えたりしてきま
した。というのも、介護・福祉の現場では、
実際のケアや支援の内容と同じくらいの程度
で「お金」というものが重要になってくるの
を、何度も経験してきたからなんです。但し、
「貧困」や「社会保障の制度持続性」などの
社会問題として括られるものではなく、高齢
者とお金の関係といった社会学的な視点にな
りますが…。
近年、高齢者にとどまらず、シニア世代、子
育て世代も含めて広く「マネープラン」の重
要性が叫ばれているのは、ご存知のことだと
思います。私の仕事分野である高齢者福祉・
介護の領域で考えると、年金額の減少、社会
保障費負担の上昇、インフレ等による生活費
用の上昇など、高齢者のお金を取り巻く環境
は変化し続けています。社会的にみても、マ
ネープランにおいて年金などの制度依存型か
ら自律設計型への転換が進んでいると感じま
す。「自律設計」、即ち『自分でデザインす
る』ことですので、政府が資産運用を推奨し
たり、NISAなど金融資産、投資の幅が広が
っていることから一目瞭然ですね。別の角度
からみると、高齢者の就労機会が増えている
ことも、(自ら収入を得る)という視点でみ
るとマネープランの自律性と関係があるとも
考えられます。年金や貯蓄だけのマネープラ
ンから、資産運用や就労など自律的な要素を
加えたものへの移行ですね。
マネープランに自律性が増えると言うことは、
日本での高齢者像の変化も誘発します。現役
をリタイアとして、良い意味で社会的に楽隠
居として位置づけされていた高齢者が、自律
型への変動により以前にもまして社会に参加
する存在となります。このことは、高齢期の
ライフスタイルそのものが積極的に社会参加
する時代へ移行したことを示していると考え
られ、高齢者の方々にとっては、安心して高
齢期を生きるための新しい社会契約を作り直
す必要が生じてきているという世相を示して
いると考えます。このことから高齢者のマネ
ープラン、もっと掘り下げて高齢者とお金の
関係をブログ連載を通じて考えてみようと思
い立ったわけです。
少々前説が長くなりました(笑)
次回から、私的ブログ論考『日本社会がたど
ってきた〈老い〉と〈お金〉の文化史』が始
まりますので、お楽しみに。
お相手は広森でした!
See You Next Week☆

