【自転車奔走記】第682回。

【ケアマネの自転車奔走記】連載・第682回。

7月最初の日曜日。皆様いかがお過ごしでし
ょうか?先週もお話しましたが、四季が崩れ
始めています。7月7日の七夕は梅雨真っ盛
りで、普通は雨か曇り、たまたま晴れたらラ
ッキー!くらいだったんですが、この数年は
晴天に恵まれた七夕が増えた気がします。そ
れはそれで良いこととは思うものの、昔と今
では季節の記憶が違うことになんとも言えな
い違和感を感じてしまっています。

さて、いよいよ夏本番です。今年も猛暑にな
りそうな予報なので、熱中症には十分に注意
して、万全の健康管理をお願いします。
では【自転車奔走記】はじまります!
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たきび版:介語苑・73ー122。

【語句】 
社会保障(制度)

【意味】
「国民の生活の安定が損なわれた場合」に、
国や地方公共団体などが一定水準の保障を行
う制度(セーフティネット)。

【解説】
今週は公衆衛生における「高齢者保健分野」
について振り返ります。我が国における昨今
の課題として、急速な高齢化が問題となって
いることは改めていうことではありません。
政策面では様々な分野でこの高齢化社会への
対応が取られていますが、公衆衛生制度にお
いても高齢者保健分野として、多様な制度や
施策が整備されています。では、その制度構
成を振り返っていきましょう。

最初は①「高齢者の医療の確保に関する法律
(高齢者医療確保法)」です。2008年に施行
された法律で、後期高齢者医療制度や高齢者
保健事業の実施を定めています。75歳以上の
高齢者が対象で(65歳以上も一部あり)、負
担は原則1割(一定所得以上は2~3割)とな
り、医療の他にも健康診査や健康相談、予防
事業を保健事業として実施しているのも特徴。

続いては②「高齢者保健事業」です。これは
高齢者の自立支援や要介護状態の予防を目的
とした事業で、予防サービスと言われる介護
予防事業もこれに含まれます。これには、後
期高齢者を対象とした特定健診・特定保健指
導や口腔・栄養・運動機能のチェックと指導、
そしてフレイル予防事業(虚弱状態(フレイ
ル)の早期発見と支援)などがあります。ま
た、自治体ごとに多様なプログラムが実施さ
れており、地域特性に合わせた取り組みが奨
励されています。

③は「在宅医療・訪問看護の推進」です。先
日お話した地域包括ケアシステムの中核部分
と言っても過言ではないですが、高齢者にと
って住み慣れた地域・自宅で療養できる選択
肢が十分に機能するために、在宅医療の充実
が進められています。また、医療分野だけで
なく必要に応じて介護・福祉分野や地域力な
ど様々な活用できる資源を活用してチームで
支えていく多種職連携システムもその特徴で
すね。

続いては④「認知症対策」です。この分野で
は高齢者精神保健も含まれます。根幹となる
のが「認知症基本法(2023年施行)」で、認
知症の早期診断と支援体制の整備(初期集中
支援チーム、認知症カフェなど)について定
められています。また、公衆衛生的な部分と
しては認知症の人と家族への心理的・社会的
支援も重要な課題となっていて、自治体や地
域単位で様々な取り組みが進められつつあり
ます。

最後は⑤「地域包括支援センター制度」を取
り上げて、公衆衛生の文脈で見てみます。介
護保険、予防サービスの中核機関としての役
割が一般的ですが、地域のワンストップの相
談支援機関として、高齢者の健康管理や高齢
者虐待の防止、認知症支援、そして地域包括
ケアシステムにおいて重要な位置を占める機
関として、地域の高齢者の健康や保健を包括
的に支援しています。

というところで今週はここまで。
次回は「災害・新興感染症・危機対応関連」
を振り返ります。
では、またお会いしましょう。
お相手は広森でした!
See You Next Week☆