【ケアマネの自転車奔走記】連載・第680回。
6月も後半戦の日曜日。皆様いかがお過ごし
でしょうか?やや時期尚早の猛暑日が続きま
したが、まだまだ梅雨空は続きそうですね。
年々、梅雨が梅雨らしくなくなっていく…と
いうか、子どもの頃の記憶とはずいぶん違っ
たモノになってきているような気がします。
ただ、梅雨らしいとは?と問われると、返答
に詰まってしまいますが……と、似非随想は
さておき、引き続き熱中症には十分に注意し
て下さい。災害への備えも忘れずに!
では【自転車奔走記】はじまります。
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たきび版:介語苑・73ー120。
【語句】
社会保障(制度)
【意味】
「国民の生活の安定が損なわれた場合」に、
国や地方公共団体などが一定水準の保障を行
う制度(セーフティネット)。
【解説】
今週からは、「地域保健・高齢者保健関連」
についての振り返りになります。まずは「地
域保健」から。
「地域保健」には詳しく見ていくと様々な面
があり、一律一概に取り扱える概念ではない
んですが、大雑把にまとめると(地域住民の
健康の保持、増進を目的として、予防、健康
管理、保健指導、生活環境整備などを包括的
に行う保健活動)と言えます。加えて、テー
マである公衆衛生の観点からみると、行政と
住民、医療・福祉などの多分野が連携し、地
域の実情に応じた健康課題に対応するための
制度や活動となります・具体的には、感染症
予防や生活習慣病対策、母子保健、高齢者保
健、精神保健、環境衛生など、幅広い分野が
地域保健の対象で、地域保健は、疾病予防や
健康づくりといった一次予防の重要な実践の
場として、医療とは異なるアプローチで住民
の健康を支えています。制度面でみると、地
域保健法を根拠法として保健所や保健センタ
ーの設置・国や自治体の役割分担などが定め
られています。
続いて日本での地域保健の特徴を公衆衛生の
視点から見てみます。特筆すべきは「住民主
体・地域密着型の保健活動の展開」です。保
健所・保健センターを基点として、住民一人
ひとりの健康状態や生活背景に応じた対応が
重視され、単なる疾病の有無ではなく、生活
習慣や社会的要因まで視野に入れた支援が行
われています。また、保健所・保健センター
の役割に応じて、保健課題に対して個別対応
と集団的施策の両方を効果的に展開できるの
も大きな強みです。
続いて「ライフステージに応じた施策」を挙
げることができます。妊娠・出産期から高齢
期まで、私たちのライフステージごとに母子
保健、成人保健、高齢者保健などの保健サー
ビスが切れ目なく展開される点です。「地域
特性に応じた課題対応」も外せません。人口
構成、産業構造、自然環境など地域には地域
ごとの特性があり、それらに応じた柔軟な対
応ができることが特徴の一つです。たとえば
近年の傾向として、過疎地域では医療とのア
クセスや連携が課題となっていますが、一方
の都市部ではメンタルヘルス対策が急務とな
っています。一例ではありますが、地域性に
応じて課題も変化するので、地域特性をしっ
かりと抑えた施策が打てることは非常に有用
ですよね。そして、これらの施策や活動は、
しっかりとした科学的根拠やエビデンスに基
づいて計画立案がなされ、施策の評価を絶え
ず行いながら実施されることは、言うまでも
ありません。
と言うところで今週はここまで。
次回は「保健所」「保健センター」について
の振り返りになります。
では、またお会いしましょう。
お相手は広森でした!
See You Next Week☆