【自転車奔走記】第651回。

【ケアマネの自転車奔走記】連載・第651回。

11月の折り返しを過ぎた日曜日、皆様いかが
お過ごしでしょうか?そろそろ街では、クリ
スマスやお歳暮、お正月の商戦が本格的にな
ってくる頃合いですね。それに合わせて、気
分も年末に向けてせわしなくなってきている
ような気がします。こんな時こそ少し落ち着
いて、今年の短すぎる秋を楽しみましょう。

さて、巷では一足早くインフルエンザ流行の
兆しがあります。体調管理、そして手洗いや
マスクなど日頃の感染症対策を宜しくお願い
します。インフルエンザ、新型コロナウイル
スのワクチン定期接種も、まだの方はお早め
にご検討下さい。
では【自転車奔走記】はじまります!
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たきび版:介語苑・73ー91。

【語句】
社会保障(制度)

【意味】
「国民の生活の安定が損なわれた場合」に、
国や地方公共団体などが一定水準の保障を行
う制度(セーフティネット)。

【解説】
今週は⑩「労働衛生」の続き、日本における
労働衛生の施策についてお話をします。
日本
の労働衛生の施策は、公衆衛生の視点から労
働者の健康と安全を守り、社会全体の健康レ
ベルを向上させるために色々な対策が講じら
れています。早速見ていきましょう。

最初は(1)【健康診断と定期健康チェック】
です。健康診断は、労働者の健康状態を定期
的に把握し、病気の早期発見・予防を目的と
しています。特に、過重労働による健康被害
や、職場での有害物質による健康リスクを減
少させるために、特定の職種に応じた追加の
健康診断も実施されます。これは、労働者の
個人健康保護に加え、社会全体で医療コスト
の低減や疾病予防に貢献する側面もあります。
健康診断は法令(労働安全衛生法)で定めら
れたもので、事業者、労働者の双方に実施や
健康診断を受ける義務が生じ、有害物質や粉
塵などを取り扱う特定業務に従事する労働者
には、特殊健康診断なども実施されます。

この労働安全衛生法ですが、労働者の健康と
安全を確保し、職場の環境改善を目的として
1972年に制定されました。本法律に基づき、
企業は職場環境の安全確保や労働者の健康維
持のための義務(有害物質の管理、機械設備
の安全対策、職場の衛生管理者や安全管理者
の配置など)が課されています。

続いては②【メンタルヘルス対策】です。近
年、産業構造の複雑化、雇用の不安定化、過
度の長時間労働などにより、仕事や職業に関
して強い不安やストレスなどを感じている労
働者の割合が高くなっています。また心の健
康障害での通院者や、自殺者数が高い数値で
推移している現状もあります。このような問
題に対して、精神的な健康問題の予防・管理
として、職場でのメンタルヘルス支援やカウ
ンセリングの提供、またストレスチェックの
義務化が進められてきています。これにより、
労働者のメンタルヘルスの悪化による自殺や
離職、社会的な医療負担の増加を抑制する狙
いがあります。また、職場全体での心理的支
援体制を整備することで、精神的な健康が維
持され、家族や地域にも良い影響が広がるこ
とが期待されています。

このメンタルヘルス対策も、先述の労働安全
衛生法や「労働者の心の健康の保持増進のた
めの指針」等によって定められたもので、事
業者と労働者双方の取り組みを通じて、労働
環境の改善やメンタルヘルスの増進が図るこ
とを目的としています。
というところで今週はここまで。
次回も引き続き日本の労働衛生の施策につい
てお話しますね。
では、またお会いしましょう。
お相手は広森でした!
See You Next Week☆