【自転車奔走記】第647回。

【ケアマネの自転車奔走記】連載・第647回。

10月も後半戦の日曜日。皆様いかがお過ご
しでしょうか?朝晩は長袖、昼は半袖…この
ところの気候を例えるとこうなるでしょうか。
日中の寒暖差が大きい日が続いています。体
調を崩さないよう、体調管理は万全にお願い
します。それから!今月からインフルエンザ、
新型コロナウイルスのワクチン定期接種が始
まっています。お住いの自治体の情報を確認
して、早めの接種をお願いします。
では【自転車奔走記】はじまります!
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たきび版:介語苑・73ー87。

【語句】 
社会保障(制度)

【意味】
「国民の生活の安定が損なわれた場合」に、
国や地方公共団体などが一定水準の保障を行
う制度(セーフティネット)。

【解説】
今週も引き続き⑧「糞尿塵芥処理」について
お話します。先週は糞尿塵芥処理と公衆衛生
の関係についてお話しましたが、今週は日本
においての現状と課題について、公衆衛生の
視点からお話をしたいと思います。日本にお
ける糞尿や塵芥(ごみ)の処理は、公衆衛生
の向上と密接に関わっていることは先週もお
話しました。

日本では特に都市化が進む中で、適切な廃棄
物処理が公衆衛生の維持に不可欠となってい
て、糞尿塵芥処理の現状は大きな進展を遂げ
てきました。最初に挙げることができるのは
【下水道整備と公衆衛生】です。糞尿の処理
に関して、日本では下水道の整備が進んでお
り、特に都市部ではほぼ100%に近い下水道
普及率を達成しています。これにより、糞尿
の適切な処理が行われ、感染症の予防や生活
環境の衛生が大幅に改善されました。適切に
処理されない糞尿は、過去にはコレラや赤痢
などの感染症の原因となっていましたが、現
在ではこれらのリスクは著しく低下していま
す。ただし、地方部では下水道整備が遅れて
いる地域もあり、その場合は浄化槽などの個
別処理方式が用いられています。ただ、これ
らの施設の適切な維持管理が行われない場合
は公衆衛生上のリスクが高まるため、地方自
治体による監督が重要になります。

続いては【ごみ処理とリサイクルの推進】。
塵芥(ごみ)処理についても、日本は高度な
技術を有しています。一般ごみは各家庭から
分別され、焼却やリサイクルに回されていま
す。特に焼却施設は高温処理技術により、有
害物質の排出を抑える工夫がされています。
これにより、大気中への有害なダイオキシン
や汚染物質の排出が大幅に減少し、生活環境
の公衆衛生が守られています。また、リサイ
クルの推進も重要な役割を果たしており、廃
プラスチック、紙、金属などが再利用される
ことで、廃棄物の総量を削減しています。適
切なリサイクルは環境負荷の軽減だけでなく
公衆衛生の維持にも寄与していることは注目
すべき視点ですね。

そして最後が【災害時の糞尿・ごみ処理】に
ついてです。災害時には、通常の廃棄物処理
が困難になるため、公衆衛生に大きな影響を
与える可能性があることは先週もお話しまし
た。日本は地震や台風などの自然災害が頻発
するため、非常時の廃棄物処理体制、例えば
仮設トイレの設置や臨時のごみ収集体制など
も平時から整備されています。これらの備え
がいざという時に迅速に整えられることで、
感染症の拡大や不衛生な環境の発生を防ぐこ
とができるようになるんですね。

さて、日本での糞尿塵芥処理の現状について
一通りお話してきました。総じて言うと、日
本の糞尿塵芥処理はかなりの高水準で整備さ
れていて、公衆衛生の維持に重要な役割を果
たしていることがご理解いただけたと思いま
す。ただ、課題もあります。例えば、高齢化
社会に対応した処理体制の整備です。高齢者
が増加する中で、介護施設などから発生する
糞尿の処理や医療廃棄物の増加が懸念されて
いて、これらに対する対応策が必要になると
予想されています。つまり、国の状況に即し
た対応が公衆衛生の維持には必要不可欠であ
るという訳です。日本の糞尿や塵芥処理は、
世界的に見ても高い水準にあり、公衆衛生の
向上に大きく貢献しています。しかし、地方
での下水道整備の遅れや、災害時の対応、高
齢化に伴う新たな課題などが残されています。
今後も継続的な改善と技術の革新が必要なん
ですね。というところで今週はここまで。
次回は⑨公害対策についてお話します。

では、またお会いしましょう。
お相手は広森でした!
SEE YOU NEXT WEEK☆