【自転車奔走記】第574回。

【ケアマネの自転車奔走記】連載・第574回。

8月最初の日曜日、皆様いかがお過ごしでし
ょうか?『猛暑』『酷暑』を通り越して『異
常な暑さ』『前例のない暑さ』、果ては『地
球沸騰化』なんてワードが毎日のように飛び
交った暑い、暑い7月でしたね。8月は暑さ
もやや落ち着くとの話ではありますが、それ
も7月と比べての話で、猛暑や酷暑と言うべ
きな日がまだまだ続くようです。熱中症や脱
水による事故のニュースも毎日のように耳に
しています。気温の情報をしっかりチェック
して、気温が最も上がる日中の不要不急の外
出を控えるなど、暑さに合わせた生活パター
ンの工夫をお願いしますね。また、こまめな
水分補給と室温管理も欠かさず行って下さい。
そして食中毒などの衛生対策も引き続きお願
いします。

お盆などの行事が控える今月、健康を維持し
ながら楽しく乗り切りましょう!
では【自転車奔走記】はじまります。
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たきび版:介語苑・73ー27。

【語句】
社会保障(制度)

【意味】
「国民の生活の安定が損なわれた場合」に、
国や地方公共団体などが一定水準の保障を行
う制度(セーフティネット)。

【解説】
今週からは障害福祉サービスの「訓練等給付」
についてお話します。前回までの「介護給付」
が生活に必要な介護の部分を支援する為のも
のであったのに対して『訓練等給付』は、障
害がある方が自立した生活や社会生活を送る
ために必要な訓練の機会を提供するサービス
です。介護保険での「機能訓練」や「リハビ
リテーション」に相当するものですね。ただ、
障害福祉の分野でいう「訓練」は介護保険に
比べて幅が広く、身体機能や生活動作に対す
るものから、就労のために必要なスキルの獲
得や向上までを含んでいます。では、早速見
ていきましょう。

最初は①自立訓練です。自立訓練には(機能
訓練)と(生活訓練)の二類型があります。
まずは【自立訓練(機能訓練)】から。この
サービスは身体に障害のある方や難病を患っ
ている方などに対して、障害者支援施設、障
害福祉サービス事業所または障害のある方の
居宅において、理学療法、作業療法その他の
地域生活への移行に必要なリハビリテーショ
ンや生活等に関する相談・助言などの支援を
行うものです。利用形態は自宅から事業所に
通う通所型、利用者の自宅へ訪問して行う訪
問型、日中に一般就労や障害福祉サービスを
利用している方へ居住の場を提供して宿泊を
通じサービスを行う宿泊型の3つがあります。

利用対象者は、地域での生活を営む上で身体
機能・生活能力の維持・向上等のため、一定
の支援が必要な身体障害のある方、または難
病を患っている方となっています。介護保険
との一番大きな違いは利用期間(「標準利用
期間」)が定められていることで、この自立
訓練(機能訓練)は原則1年6カ月となって
います(四肢麻痺は3年です)。

続いては【機能訓練(生活訓練)】について。
このサービスは知的障害または精神障害のあ
る方に対して、障害者支援施設、障害福祉サ
ービス事業所または障害のある方の居宅にお
いて、入浴、排せつ、食事等に関する自立し
た日常生活を営むために必要な訓練、生活等
に関する相談および助言などの支援を行うも
のです。前述の機能訓練と違い、その内容は
非常に多岐に渡っています。具体的には、入
浴や排せつ、食事、そして料理や掃除洗濯や
ゴミ出しなどの基本的な日常生活能力を獲得
・向上するための訓練や支援、生活リズムや
食生活、金銭管理、服薬管理などの自己管理
能力向上のための支援、地域生活のマナーや
ルールを守る、社会関係(人付き合い)、交
通機関や役所や銀行、医療機関などの公共施
設を利用するための訓練や支援、助言などが
あり、利用者の希望や状況に応じてサービス
の提供が行われます。

利用形態は機能訓練と同様、通所・訪問・宿
泊の3つがありますが、宿泊型には後述「宿
泊型自立訓練」という別枠のサービス類型も
あります。利用対象者は地域生活を営む上で、
生活能力の維持・向上等のため、一定の支援
が必要な知的障害のある方、精神障害のある
方、利用期間は2~3年となっています。

続いては先ほど出てきた【宿泊型自立訓練】
です。このサービスは、自立訓練(生活訓練)
の対象者のうち、日中仕事をされている方や、
障害福祉サービス事業所、デイケア等を利用
している方に対して夜間の生活の場所を提供
し、居室や設備などを使用しながら家事等の
日常生活能力を向上させる支援や生活相談な
どの支援を提供するものです。利用期間は同
じく2~3年となっています。介護給付の章
でお話した「施設入所支援」の訓練版と考え
ていただければ分かりやすいと思います。

というところで今週はここまで。
次回も引き続き訓練等給付についてのお話。
では、またお会いしましょう。
お相手は広森でした!
SEE YOU NEXT WEEK☆