【自転車奔走記】第557回。

【ケアマネの自転車奔走記】連載・第557回。

春爛漫の日が続いた日曜日です。皆様いかが
お過ごしでしょうか?
皆様もご存知とは思い
ますが、先日、ワタクシが個人的に敬愛して
やまなかった坂本龍一さんの訃報が届きまし
た。末期がんで闘病を続けていることは報道
で知ってはいましたが、やはり突然という思
でいっぱいですね。坂本龍一さんの音楽の特
徴は思想性だと思います。それは特定のイデ
オロギーや党派性に拠った音楽という意味で
はなく、様々な音をその文化的背景まで遡り、
咀嚼し解体して、そしてあたかも私たちが色
々な思いや考えを言語で伝えるかごとく、坂
本さんの脳内にある膨大な音が再構築され曲
という形で表出されていたのだと愚察してい
ます。

彼の音楽を聴く時のワタクシの愉しみも、純
粋にメロディーや和音の構成に聞き惚れるだ
けでなく、その曲の構築過程を自分なりにあ
れこれ想像することでした。

偉大な思想家であり音楽家であった坂本龍一
さんのご冥福を改めてお祈りいたします。

さて、春も盛りになってきました。日中は汗
ばむ陽気も続いています。皆様、こまめな水
分補給を欠かさず、体調管理には十分ご注意
下さい。また、新型コロナについてもTPO
に応じた適切な感染対策を引き続きお願いし
ます。
では【自転車奔走記】はじまります!
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たきび版:介語苑・73―11。

【語句】
社会保障(制度)

【意味】
「国民の生活の安定が損なわれた場合」に、
国や地方公共団体などが一定水準の保障を行
う制度(セーフティネット)。

【解説】
今週も引き続き【社会的擁護施策】について
お話します。早速④【児童養護施設】から。
児童養護施設とは、保護者のいない児童や虐
待を受けている児童、家庭環境や様々な事情
により家庭での養育が難しい児童が入所させ
て養護を行う児童福祉法に定められた施設で
す。対象年齢は1歳から18歳となっていま
すが、特に必要がある場合は20歳までの延
長も行われます。入所した児童は集団生活を
しながら通学し、また社会で必要な知識やス
キルを学んだりします。

また、親の病気などの理由により一時的に家
庭での養育が困難となった児童を預かる子育
て短期支援事業(ショートステイ、トワイラ
イトステイ)や施設を退所した者に対する相
談その他の自立のための援助も併せて行って
いるのも特徴です。続いて⑤【里親(制度)】
です。里親とは、親の病気、家出、離婚、そ
のほかいろいろな事情により家庭で暮らせな
い子どもたちを、自分の家庭に迎え入れて養
育する人のことをいいます。そして里親制度
とは、児童福祉法に基づいて里親となること
を希望する方に子どもの養育をお願いする制
度となっています。養子縁組と混同してしま
いがちですが、養子になることで親権を持つ
養子縁組とは違い、里親制度に基づく里親に
は親権は無く、養育期間にも限りがあるとい
うあくまで一定期間の家庭での養育を目的と
した制度何です。

このように里親制度で定められた里親と特に
「公的里親」と呼ぶこともあります。公的里
親にも色々種類があり、実の親が引き取る見
込みのある子どもを実親の元へ家庭復帰でき
るまで、あるいは18歳まで家庭内で養育する
「養育里親」、一定の期間(原則2年。更新
可能)、里親としての養育経験や児童福祉分
野の経験がある者が、専門的な研修を修了し
た上で登録を受けられる「専門里親」、両親
が死亡・行方不明等で児童を養育できないと
きに、児童の3親等以内の者が代わって養育
する場合の制度である「親族里親」、そして
将来的に里子との養子縁組を前提とした里親
があります。この里親になるには研修を受け、
里親として登録されることが必要となります
(養育里親の場合)。

続いて⑥【児童自立生活援助事業】について
です。この事業は、義務教育終了後、児童養
護施設、児童自立支援施設等を退所し、就職
して社会に出る児童等に対して、自立援助ホ
ームと呼ばれる住居で共同生活をしながら相
談やその他の日常生活上の援助、生活指導や
就業の支援(援助の実施)を行う事業です。

続いて⑦【小規模住居型児童養育事業】と呼
ばれるものです。以前は里親型グループホー
ムと呼ばれていた事業ですが、家庭環境を失
ったこどもを里親や児童養護施設職員など経
験豊かな養育者がその家庭に迎え入れて養育
する「家庭養護」です。いわゆる施設とは違
い、養育者の家庭の中で、5~6人のこどもを
預かり、こども同士の相互の交流を活かしな
がら、基本的な生活習慣を確立するとともに、
豊かな人間性及び社会性を養い、将来自立し
た生活を営むために必要な知識及び経験を得
ることに主要な目的が置かれている制度です。

というところで、【社会的擁護施策】につい
てのお話は終了となります。次回は【児童虐
待対策】についてのお話になります。
では、またお会いしましょう。
お相手は広森でした!
SEE YOU NEXT WEEK☆