【ケアマネの自転車奔走記】連載・第519回。
6月最後の日曜日、皆様いかがお過ごしでしょうか?
ジメジメと暑い日が続いていますね。ですが梅雨はこ
れからが本番ですし、梅雨明け予想は例年より早めと
言ってもまだまだ先のお話です。当分の間は湿度の高
い日が続きますので、食中毒や熱中症には十分お気を
つけ下さい。そして新型コロナについても引き続き必
要な対策を毎日の生活の中でしっかり続けていただく
ようお願いします。
では【自転車奔走記】はじまります!
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たきび版:介語苑・72-22。
【語句】
睡眠障害
【意味】
睡眠に関連した多種多様な病気の総称。 不眠症や過眠
症、中途覚醒や入眠障害などがある。
【解説】
今週から⑧【中枢性過眠症】についてお話します。中
枢性過眠症というのは、睡眠時無呼吸など睡眠を妨げ
る病気や、極度の睡眠不足がないにもかかわらず、日
中に著しい眠気が現れる睡眠障害のことを指します。
要は、今までお話してきたような睡眠を妨げてしまう
ような病気がなかったり、ある程度の睡眠は確保でき
ているにもかかわらず、日中に強い眠気が生じてしま
うという事です。このように、中枢性過眠症は今まで
見てきた過眠症とは少し違い、生活や環境などの外因
や他の疾患による睡眠障害が原因ではなく、人間の睡
眠と覚醒を司る中枢神経系そのものの機能異常が原因
と考えられています。では、この中枢性過眠にはどの
ようなものがあるのか?についてお話をします。
中枢性過眠には①ナルコレプシー②特発性過眠症、そ
して非常に稀な病気として③クライネ-レビン症候群
(反復性過眠症・周期性傾眠症)などがあり、よく似
た症状を呈するものとして④睡眠不足症候群をあげる
ことができます。では一つずつ見ていきましょう。ま
ず①【ナルコレプシー】から。思い出話しとなります
が、私が学生の頃に愛読していた作家の色川武大(別
名は阿佐田哲也、映画「麻雀放浪記」の原作者)がナ
ルコレプシーを発症していて、当時、本人の著作や関
連するエッセーなどでその病気のことを知り、興味を
持って自分でも調べてみようと学校の図書館に行った
ところ、当時は英語や独語で書かれた専門書しかなく
て分厚い本を開けた瞬間に断念した覚えがあります。
さて、このナルコレプシーですが、耐え難い睡眠欲求
の出現と、食事中や歩行中など通常眠ることがない状
況での居眠り(睡眠発作)を特徴とする慢性の睡眠障
害です。この病気の一番の特徴は、日中の過度の眠気
や、通常起きている時間帯に自分では制御できないよ
うな強烈な眠気が繰り返し起こることで、その際に突
然の筋力低下(「情動脱力発作」と呼ばれています)
を伴います。また、睡眠麻痺や鮮明な夢、幻覚が入眠
時または覚醒時に起こることもあります。そして、こ
れらの症状が続くことで生活や仕事に支障をきたすよ
うになります。また、睡眠発作や発作に伴う情動脱力
発作が出現することで、自動車事故やその他の事故の
リスクが大きくなることも、その方の生活に大きな影
響を及ぼします。因みに、ナルコレプシーの症状は通
常青年期から若年成人期にかけて現れ、その後は生涯
続きます。では、具体的にどのような症状があるか?
については次回お話しますね。
来週もお楽しみに。
SEE YOU NEXT WEEK!