【ケアマネの自転車奔走記】連載・第515回。
5月も最後の日曜日になりました。皆様いかがお過
ごしでしょうか?梅雨が近づいているのか、蒸し暑
く感じる日が増えている印象がありますね。くれぐ
れも熱中症や脱水症に十分注意して体調管理をお願
いします。また、食中毒にも一層の注意が必要な時
期が近づいています。キッチン周りの衛生管理もお
忘れなく。さらに新型コロナについても引き続き感
染予防は必要ですが、熱中症予防の観点から屋外の
マスク着用について政府等が見解を表出しています
ので、その辺りの情報もしっかり確認をして頂いた
うえで、感染対策をしっかり続けて頂くようお願い
します。では【自転車奔走記】はじまります!
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たきび版:介語苑・72-19。
【語句】
睡眠障害
【意味】
睡眠に関連した多種多様な病気の総称。 不眠症や過
眠症、中途覚醒や入眠障害などがある。
【解説】
今週も⑥(睡眠の質の低下を起こす疾患)の一つ『周
期性四肢運動障害』についてお話します。もしかした
らあまり聞きなれない病名かもしれませんが、日中の
眠気など引き起こす睡眠関連運動障害の一つです。こ
の病気は睡眠中に片足あるいは両足の不随意運動(足
がピクピク動く)が周期的に起こります。この不随意
運動が頻回に起こるとその度に脳波上の覚醒反応(睡
眠や昏睡からさめたとき,強い情動興奮が起こったと
きなどに現れる脳波の現象)を生じ、その結果、睡眠
が浅くなったり目が覚めたり(中途覚醒)する睡眠障
害が起きます。 その睡眠障害で熟睡感の低下、昼間の
眠気、疲労を引き起こし、日常生活に支障をきたすよ
うになる病気です。先週お話したむずむず脚症候群が
自覚的に脚を動かすのに比べて、この周期性四肢運動
障害での足の不随意運動は本人が眠っている間に起こ
るので、本人は子の症状に無自覚のケースが多いよう
です。ですので、この病気の診断は客観的に脚がどの
くらい動いているかについて専門的な検査を行う必要
があります。
また、この病気はむずむず脚症候群と合併することが
多いことや、年齢とともに増加(因みに、60歳以上で
は3割にこの症状があるといわれています)することも
特徴の一つです。さらに自覚的な症状がない分、周期
性四肢運動障害として本人が自発的に医療機関へ直接
受診するケースが少ないことも医療への繋がりを難し
くする要因と考えられます。不眠の治療を受けていて、
睡眠薬を服用してもなかなか改善しない場合は、周期
性四肢運動障害が不眠に影響していないか鑑別が必要
となり、その結果発見されるようなケースが多いみた
いですね。
この病気の原因ですが脚や腕の検査をしても異常はな
く、現在のところはっきりとした原因は解明されてい
ないようです。このあたりもむずむず脚症候群とよく
似ていますね。ですので、治療法も一般に薬物を使用
しない非薬物療法(鉄分の多い食事摂取や、症状を悪
化させるカフェインやアルコールを控えるなど)と症
状が強い場合に用いられる薬物療法(ドーパミン系の
お薬など)が用いられるようです。最後になりますが、
この周期性四肢運動障害はむずむず脚症候群とともに
日中の強い眠気や集中力低下を招く原因となる病気の
代表格とされています。診察や相談は脳神経内科や睡
眠外来のある精神科、心療内科などで行ってくれる場
合がありますのでご参考に。
というところで今週はここまで。
次回は過眠症の原因・要因の⑦(概日リズム睡眠・覚
醒障害)についてお話をします。
では、またお会いしましょう。
SEE YOU NEXT WEEK!