【自転車奔走記】第512回。

【ケアマネの自転車奔走記】連載・第512回。

5月最初の日曜日になりました。皆様、いかがお過
ごしでしょうか?
明日は連休の中日ですが、お休み
の方も多いと思います。久しぶりの行動制限のない
GWという事で、行楽等の外出機会も増えそうです
よね。水分補給や十分な休養など、脱水症予防をお
願いします。また、新型コロナについても、感染予
防対策をしっかり続けていただくようお願いします。
では【自転車奔走記】はじまります!
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たきび版:介語苑・72-15。

【語句】
睡眠障害

【意味】
睡眠に関連した多種多様な病気の総称。 不眠症や過
眠症、中途覚醒や入眠障害などがある。

【解説】
今週も「過眠症」についてお話します。この前お話し
たとおり、過眠症を引き起こす原因や要因には様々あ
ります。

① 睡眠不足     
② 睡眠の質の低下を起こす環境
③ 摂取物質の影響
④ 身体疾患     
⑤ 心理的ストレス、精神疾患     
⑥ 睡眠の質の低下を起こす疾患
⑦ 概日リズム睡眠・覚醒障害     
⑧ 中枢性過眠症

以上が代表的な要因や原因です。
このうち、①~③については、概ね日常生活を改善す
ることで現状がよくなることがある範囲とされていま
す。ただ、④~⑧については、主治医や専門の医師へ
の相談や診察が必要な場合があるケースですね。です
ので、主に④~⑧の原因や要因についてお話を進めて
いきます。

④の過眠症の要因となる身体疾患ですが、代表的なも
のとして、花粉症、脳血管疾患、頭部外傷、全身性炎
症疾患、甲状腺機能低下症などを挙げることが出来ま
す。花粉症が過眠を引き起こす?と考えるとやや意外
に感じるかもしれませんが、その原因の多くは花粉症
の治療で内服する「抗アレルギー薬による眠気」です。
研究論文によれば、『花粉症患者の25%に日中の眠気
がみられ、花粉症の症状が重くいびきを伴う場合に日
中の眠気が多い』との研究結果が示されています。ま
た「甲状腺機能低下症(体全体の新陳代謝を促す甲状
腺ホルモンが、何らかの原因によって不足している状
態)」になると、代謝の低下から身体の不調や精神活
動の低下を引き起こします。 そのため、眠気やだるさ、
いくら寝ても眠さや疲れがとれないといった症状(過
眠)を引き起こすことがあり、病状によっては無気力
感や、認知機能の低下がみられることもあります。

「全身性炎症疾患」は、外傷や熱傷、手術および感染
などの侵襲を受けた局所でサイトカインという物質が
産生され、それが血中に吸収されて全身を循環し、全
身的な得印象反応を引き起こしている状態を指し、そ
の状態において過眠の症状を呈することが知られてい
ます。他に脳疾患や頭部外傷でも過眠の症状を呈する
ことが知られています。これらの一見過眠と関連がな
さそうな病気が要因で“過眠”が引き起こされるという
事は、逆に考えると過眠を甘く見ていると、これらの
ような重大な疾患がその裏に隠れているかもしれない
という事を示しています。ですので、①~③に当ては
まらない過眠の場合は、できるかぎり速やかに医療機
関を受診した方が良いと言えます。

では、今週はここまで。
またお会いしましょう!
SEE YOU NEXT WEEK☆