【ケアマネの自転車奔走記】連載・第499回。
1月も最後の日曜日となりました。皆様、いかが
お過ごしでしょうか?「1月は日過ぎていくスピ
ードが一年の中で段違いに早い!」と毎年のよう
に年が明けると嘆いている友達がいましたが、最
近はワタシもそのように思うようになりました。
年が改まって、ワタシのような凡人でも新しい年
となれば、自然に心機一転、意欲充実、意気軒高
のメンタルが高まり、その勢いのまま日々を過ご
す結果かもしれません。という事は、頑張りすぎ
た結果ガス欠で2月以降に急ブレーキがかかる可
能性もある!ということになります。しっかりと
地に足を着けて、着実に一年を歩き続けようと1
月の終わりに改めて思いなおしました。
さて、新型コロナの感染が再拡大しています。既
に各地で重点措置などが取られている状態。ワク
チンの追加接種や経口治療薬の登場など光明もあ
りますが、一番の対策は個人個人の地道な感染予
防対策です。一人一人の対策が合わさることで大
きな力を発揮することはこのコロナ禍で皆様も経
験済だと思います。ワタシも含め、今一度初心に
帰って、手洗いや密の防止など基本的感染対策の
徹底を続けましょう。
また、コロナ対策も大事ですがヒートショックや
冬場の脱水症、そして転倒など高齢者の事故も要
注意です。十分な配慮をお願いします。
では【自転車奔走記】はじまります!
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たきび版:介語苑・72-4。
【語句】
睡眠障害
【意味】
睡眠に関連した多種多様な病気の総称。 不眠症や
過眠症、中途覚醒や入眠障害などがある。
【解説】
今週は前回に引き続き、睡眠が人体に果たす役割
の一つである「身体の健康維持」についてお話し
ます。睡眠による疲労の回復には大きく3種類の
ホルモンの分泌が関係していることは先週お話し
ましたが、今回はその最後、(成長ホルモン)に
ついてお話をします。
成長ホルモンは文字通り子供が成長するときに欠
かせないホルモンで、その役割のみのイメージが
ありましたが、こちらも近年の研究で成長ホルモ
ンが持つ力や役割について様々なことが分かって
きています。この成長ホルモンは小児期~思春期
には骨や筋肉、体の組織や器官を成長発達させる
重要な役割を担いますが、成人期になると分泌量
は下がりますが、成長に関することがらとは別の
役割を担うようになります。そして、その働きの
範囲はほぼ全身に及んでいて、非常に重要なホル
モンとして近年盛んに研究がなされているんです。
では、成人期の成長ホルモンはどのように分泌さ
れ、そしてどんな役割を担うか?についてお話を
します。成長ホルモンは脳下垂体という場所から
分泌されますが、非常に深い眠り(よく耳にする
「ノンレム睡眠」というものです)の状態の時に
分泌されます。もう少し細かく説明しますと、深
いノンレム睡眠は「徐波睡眠」と呼ばれ、この睡
眠状態の時に成長ホルモンが分泌され、分泌は徐
波睡眠後30分で最大量となります(時間帯でい
うと午後10時から午前2時に最大になるとされ
ています)。因みにですが、加齢に伴い徐波睡眠
の時間は減少しますので、その分成長ホルモンの
分泌量が減ることで老化や生活習慣病を促進して
しまう結果にもなります。では、その成長ホルモ
ンの役割ですが、先ほどお話した通りほんとうに
様々な働きをする“出来た奴”なんですね。
まずは脳に対する働きですが、記憶力の定着や意
欲を高めるという作用があります。次に骨や筋肉
に対しては骨の成長や発達の他に骨・筋肉の量を
維持するという働きがあり、高齢者にとっては前
回のテーマ「栄養」編で取り上げたフレイルやサ
ルコペニアとも深い関わりが指摘されています。
さらに免疫機能を正常に保ったり糖代謝調節、さ
らには脂肪の代謝促進や脂肪が過度に溜まり過ぎ
ないようするなどダイエッターにとっては感涙物
の働きもあります。では逆に成長ホルモンの分泌
がなくなってしまったらどうなるか?ですが、先
ほどお話した働きの逆の作用が生じると考えてい
ただいてOKです。つまり、代謝が悪くなって糖
尿病になりやすくなったり、コレステロールが上
昇したり、骨や筋肉の量が減る、骨の組織が弱く
なるなどの症状に加え、疲れやすい、集中力の低
下、やる気が出ない、などのメンタル面での影響
もあります。このように成長ホルモンに限らずで
すが、睡眠時に分泌される各種ホルモンは人間の
身体組織や器官の維持・成長に非常に重要な役割
を担っていることがお分かりいただけたかと思い
ます。
というところで今週はここまで。次回は睡眠の持
つもう一つの役割である②脳システムの維持につ
いてお話をします。
お楽しみにお待ちください。
SEE YOU NEXT WEEK!