【ケアマネの自転車奔走記】連載・第685回。
7月最後の日曜日。皆様いかがお過ごしでし
ょうか?今年の7月は、例年の梅雨模様では
なく、猛暑や大雨など不安定な天候が続きま
したね。8月は夏らしい日が続くことを祈っ
ています(猛暑は勘弁ですが…)。
さて皆様、熱中症予防はしっかりされてます
でしょうか?適切な室温管理、水分補給、休
養など対策をしっかり取れば、熱中症は予防
できるものです。熱中症や気温の情報を必ず
チェックして、元気に夏を楽しんで下さい。
では【自転車奔走記】はじまります!
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たきび版:介語苑・73ー125。
【語句】
社会保障(制度)
【意味】
「国民の生活の安定が損なわれた場合」に、
国や地方公共団体などが一定水準の保障を行
う制度(セーフティネット)。
【解説】
公衆衛生における「災害・新興感染症・危機
対応関連」の振り返り、今週は「危機対応関
連」の分野です。一般的に「危機対応」とは、
企業や組織が直面する可能性のある様々な危
機(自然災害、経済危機、不祥事など)に対
して、被害を最小限に抑え、事業を継続・復
旧するための対策や取り組み全般を指します。
公衆衛生の分野において危機とは、「国民の
健康や生活、環境」を脅かすものとなります
が、対応とはそれらの危機に対して、平時か
ら備える、有事に際しては活動や事業がしっ
かり継続できるという意味になります。では、
早速それらの中身を見ていきましょう!
先ずは「自然災害への公衆衛生活動」です。
地震や台風などの自然災害を想定したものと
なりますが、主な施策としては、災害医療体
制の整備を挙げることができます。近年よく
耳にする『災害派遣医療チーム(DMAT)』
は、地震や台風の際に迅速に派遣され、初期
医療を提供することを目的として組織されて
います。また『災害拠点病院』は、災害時に
中心的な役割を果たす病院で、24時間体制で
災害対応ができ、重症傷病者の受け入れや搬
送が可能な体制を整えています。他にも救護
所や広域医療搬送など様々な災害時の医療体
制が整備されています。
続いては「感染症対策」になりますが、これ
については先週お話が出ましたので割愛して
「健康危機管理」のお話をします。「健康危
機管理」とは、医薬品、食中毒、感染症、飲
料水、その他何らかの原因により、国民の生
命や健康を脅かす事態が発生した場合に、そ
の被害の発生予防、拡大防止、治療などを行
うことを指します。具体的には、(健康危機
の発生の未然防止)、(健康危機発生時に備
えた準備)、(健康危機への対応)、(健康
危機による被害の回復)の四つの側面からの
活動になりますが、政府や自治体の健康危機
管理部門(厚労省の健康危機管理支援チーム
など)の活動をはじめ、自治体と保健所との
連携、そして正確な情報発信などがその柱と
なっています。
続いては「化学物質・放射線災害への対応」。
これは先述の健康危機管理と重複する所もあ
りますが、健康被害をもたらす化学物質等の
リスク管理、そして原子力災害への対応も含
まれています。化学物質による土壌汚染など
の環境被害への対応も含まれますね。そして
「情報伝達とリスクコミュニケーション」へ
の対応も近年さらに重要視されています。イ
ンターネット社会において、正確な情報発信
や情報管理の重要性は非常に大きなものにな
っています。科学的な根拠に基づいた正確な
情報発信がなされるよう、そして受け手側は
正確な情報をしっかり得ることができるよう、
平時から様々な機会を通じてコミュニケーシ
ョンを取っておくことは非常に大切ですね。
公衆衛生の分野おいても、政府広報やSNSや
緊急速報などでの情報発信、パンフレットや
訓練などの啓発活動が行われています。
といったところで今週はここまで。
次回からは、補足として「公衆衛生活動」に
ついて振り返ります。
では、またお会いしましょう。
お相手は広森でした!
SEE YOU NEXT WEEK☆