【ケアマネの自転車奔走記】連載・第509回。
年度初めも少々は落ち着いたでしょうか?年度初め
からようやくの日曜、皆様いかがお過ごしでしょう
か。4月に入ってから、仕事でお伺いする事業所さ
んや病院さんで新入社員さんや看護師1年生と思し
き方々がきびきびと立ち動く姿をよく見かけます。
社会人生活も長い古参組のワタクシにとっては、そ
の姿は初々しくもあり、また私に『初心忘れるべか
らず』と垂範するものでもあり、そして『光陰矢の
如し』を実感させられる光景です。ともあれ、ワタ
シも若い者に負けぬよう精進するべし!と思いを新
たにしています。
さて、気候もようやく落ち着いて春らしくなってき
ましたが、引き続き体調管理には十分ご注意下さい。
新型コロナウイルスについても感染が不気味な広が
りを見せていますので、引き続き基本的感染症対策
の徹底をお願いします。
では【自転車奔走記】はじまります!
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たきび版:介語苑・72-13。
【語句】
睡眠障害
【意味】
睡眠に関連した多種多様な病気の総称。 不眠症や過
眠症、中途覚醒や入眠障害などがある。
【解説】
今週は不眠症の治療についてお話をします。不眠症の
治療の最初は、不眠を誘発している原因を診断するこ
とから始まります。今までお話してきた通り不眠症の
原因は様々ですので、治療のアプローチを決めるため
には絶対に必要な過程となります。もし、不眠がパー
キンソン病や脳神経疾患など疾患が原因となっている
場合は、まずはその原因となる疾患の治療が優先とな
ります。そして、原因がそのほかの場合は不眠症の治
療が始まることになります。治療は「薬物療法」「非
薬物療法」の大きく2つに分けられます。「非薬物療
法」は、主に生活習慣を改善していくことで不眠を治
療していく方法です。例えば、定期的な運動や規則正
しい食生活、睡眠前に水分を摂り過ぎないことや寝酒
や喫煙は控えるなどの生活習慣の改善や寝室の環境の
整備などを挙げることが出来ます。
一方の「薬物療法」は睡眠薬を使った治療になります。
以前は「睡眠薬」というとやや怖いイメージがあった
みたいですが、精神科や心療内科などの専門医療機関
での現在の不眠症の治療は薬物療法が主流で、不安や
緊張・興奮をやわらげて眠りに導くので自然に近い眠
りが得られ、副作用も少なく安心して使えるものが殆
どですので安心してくださいね。但し、必ず専門の医
師から診断と処方を受けて使用するものですので、そ
の点は必ず守ってください。
というところで「不眠症」についてはこれにておしま
いとなります。続いては「過眠症」という睡眠障害に
移ります。「過眠」というと不眠の逆で寝すぎてしま
う症状かな?と考えてしまいがちですが、実はそう単
純ではないんですね。過眠症とは、夜間十分な睡眠を
とっているにも関わらず、少なくとも3ヶ月以上に渡っ
て日中に耐え難い眠気が生じる状態を指します。この
「夜間十分な睡眠をとっているにも関わらず」という
事がポイントで、睡眠時間はしっかり取れている筈な
のに、日中にも耐え難い眠気が襲ってくる、あるいは
仕事中や授業中に(気付かないうちに)眠りに落ちて
いるという状態が続きます。そしてその眠気のために、
社会生活、学校生活に支障を生じてしまうということ
になります。
この過眠症ですが、日中の眠気や眠りに落ちてしまう
ことで周囲の人から、怠けている、気持ちの問題、不
真面目だと言われて悩んでいる方も少なくない状態で、
なかなか“病気”として認識されづらいことも社会的な
問題の一つとなっていますし、日中の強い眠気は重大。
では、この『過眠症』とはどのような病気なのか?に
ついて次回からお話していきますね。
では、またお会いしましょう。
SEE YOU NEXT WEEK!