【ケアマネの自転車奔走記】連載・第666回。
3月も後半戦。皆様いかがお過ごしでしょう
か?気温が上がり、雨の日も多くなってきて
“春来たり”と実感する日が増えてきました。
梅、そして桜の開花も気になる頃合いですね。
季節の変わり目ですので、体調管理には十分
ご留意ください。また、外出の機会もこれか
ら増えてきます。転倒等の事故にもご注意を。
健康に、そして元気に春本番を迎えましょう。
では【自転車奔走記】はじまります!
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たきび版:介語苑・73ー107。
【語句】
社会保障(制度)
【意味】
「国民の生活の安定が損なわれた場合」に、
国や地方公共団体などが一定水準の保障を行
う制度(セーフティネット)。
【解説】
今週から社会保障四本柱の最後、④「保健医
療・公衆衛生」についての振り返りとなりま
す。非常に幅広い分野なので概略とはいえ振
り返りも大変ですが(笑)、頑張ってお付き
合いください。
では早速始めましょう。
まずは保健医療・公衆衛生の社会保障におけ
る定義から。厚生労働省等の資料においては、
保健医療・公衆衛生は『国民が健康に生活で
きるよう様々な事項についての予防、衛生の
ための制度』と定義されています。そしてそ
の制度の例示として、①医師や病院などが提
供する医療サービス②疾病予防、健康づくり
などの保健事業③母性の健康、児童の出生と
育成を増進するための母子保健④食品や医薬
品の安全性を確保する公衆衛生、が挙げられ
ています。
では、①の医療サービスから振り返ります。
日本での医療サービスは、国民皆保険制度の
もとで運営されており、社会保障制度におい
て非常に重要な位置を占めています。その医
療制度の根幹となるのが国民皆保険という制
度で、職域・地域・年齢に応じて国民全員が
何らかの医療保険に加入することを義務づけ、
病気やけがをした際に自己負担を抑えて医療
サービスを受けられる仕組みを構築していま
す。そしてその制度上に「健康保険法」「国
民健康保険法」、「高齢者の医療の確保に関
する法律」などがあり、私たちが等しく医療
を受ける権利を保障する社会的なセーフティ
ーネットとして機能しています。
ハード面では「医療法」によって、病院・診
療所の開設基準や医療計画の策定、地域医療
構想などが定められ、私たちがどこに住んで
いても必要な医療を受けられるような医療提
供体制の整備や構築に当たっています。ソフ
ト面では、「医師法・歯科医師法」「看護師
法」、「理学療法士及び作業療法士法」など
の職種ごとの法律によって、医療従事者の資
格や業務内容、安全性の確保が制度化されて
います。他の関連法制度としては、介護保険
法や障害者総合支援法なども、医療サービス
と共に地域包括ケアシステムにおいて重要な
役割を果たしています。
他にも、「感染症法」や「薬機法」は、感染
症の拡大防止や医薬品の安全性確保など、国
民の健康を守るための制度的基盤となってい
ますね。駆け足で振り返りをしましたが、日
本の医療サービスは複数の法制度によって包
括的に支えられており、国民の健康と生活の
安定のための社会保障制度の一つとして機能
しており、時代や社会情勢に応じて深化・発
展を繰り返しています。
というところで今週はここまで。
次回は②「保健事業」を振り返ります。
では、またお会いしましょう。
お相手は広森でした!
See You Next Week☆