【ケアマネの自転車奔走記】連載・第636回。
今週は土曜登場となった広森でございます!
8月最初の土曜日。皆様、いかがお過ごしで
しょうか?オリンピックが開幕し、日本選手
団の開幕ダッシュとでもいうべきメダル量産
もあってか、巷では急にオリンピックが盛り
上がっていますね。そして来週から夏の全国
高校野球選手権も始まります。今年の大会は、
試験的に2部制を導入して、熱中症対策に努
めるという話。鍛えに鍛えた高校球児でも熱
中症対策が必要なわけですから、ワタシのよ
うな一般凡人はなおさらです。
皆様、くれぐれも熱中症対策は万全に万全を
重ねて、日中だけでなく夜間も含めた室温管
理の徹底、水分・塩分のこまめな摂取をお願
いします!そして夏カゼも流行り出している
と聞き及んでいます。健康管理も万全にお願
いします!
では【自転車奔走記】はじまります!
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たきび版:介語苑・73ー76。
【語句】
社会保障(制度)
【意味】
「国民の生活の安定が損なわれた場合」に、
国や地方公共団体などが一定水準の保障を行
う制度(セーフティネット)。
【解説】
今週は伝染病予防における日本での施策等に
ついてお話します。まずは関係法について。
日本ではいわゆる「感染症新法(正式名称は
『感染症の予防及び感染症の患者に対する医
療に関する法律』平成11年に伝染病予防法
などの従前の法律を包含する形で施行)」に
基き、感染症の予防と拡大防止のための枠組
みが整備されています。
この法律の主なものとしては、先週も少し触
れましたが、感染症(伝染病)の分類に基づ
いて、報告や観察、対応方法を定めたもので
す。具体的には、感染症は1~5類、新型コ
ロナウイルス感染症、指定感染症、新感染症
の8つに分類されていて、重症度に応じ、届
出や観測、隔離などの義務や措置が規定され
ており、適切な対応が取られるようになって
います。そしてもう一つの重要な法律が「予
防接種法」になります。この法律も前回触れ
ましたが、伝染の恐れがある疾病の発生・蔓
延を予防するために定められた法律で、予防
接種の対象となる疾患や、接種の対象となる
年齢、予防接種の実施方法などが明記されて
いるものです。
日本ではこの法律に基づいて、様々なワクチ
ンの接種が行われています。因みに、直近の
例を挙げると、新型コロナウイルス感染症の
ワクチン接種も同法に基づいて行われていま
したね。続いては伝染病予防のシステムにつ
いてです。これについては、国による伝染病
・感染症の監視システムを挙げることができ
ます。これは国立感染症研究所が中心となり、
全国の医療機関や検査機関からの報告を基に
感染症発生状況を監視するシステムが既に構
築されています。
コロナ禍中、毎日のように全国の新型コロナ
ウイルス感染症罹患者の数や重症度の情報が
流れてきましたが、あれがまさにそれです。
このシステムを活用して、感染症の発生動向
を迅速に把握し、対策を講じている訳ですね。
そしてハード面では、感染症対策施設の整備
を挙げることができます。国立感染症研究所
のような専門機関に加え、全国には指定感染
症病院が整備されています。さらには保健所
なども加わり、感染症対策の拠点として感染
症や伝染病の予防や拡大防止に尽力されてい
ます。
また、空港や港の検疫所も水際対策の拠点と
して重要な施設となっています。そして最後
がソフト面、コロナ禍で目にした記憶も新し
いと思いますが、手洗いや咳エチケット、マ
スクの使用など、日常的な感染予防行動を促
すキャンペーンが定期的に実施されています。
他にも学校や職場での健康教育プログラムも
近年強化されていますね。
このように様々な法律やツール、ハードはソ
フトを活用して、伝染病の予防や対策を行っ
ていることがご理解いただければ幸いです。
最後になりましたが、『伝染病と感染症、そ
の違いは?』についてお話します。伝染病と
感染症、一見同じものに思えますが、実はし
っかりと字義の定義がある別の概念なんです。
伝染病とは「細菌やウイルスが生物の体内に
侵入して感染した後、別の生物にも感染する
こと」と定義されます。一方感染症は「細菌
やウイルスが生物の体内に侵入し、増殖する
こと」となっています。つまり両者の違いは
『他の生物に伝染するかどうか?』、伝染病
はすべて感染症に含まれますが、その感染症
の中でも他の生物に伝染する性質があるもの
を、「伝染病」という訳ですね。このことか
ら、新型コロナウイルス感染症は表記こそが
「感染症」となっていますが、扱いは「伝染
病」ということになりますね。
というところで、今週はここまで。
次回は「生活習慣病対策」についてです。
わが身を省みながらのお話になりそうですが…
では、また次回お会いしましょう!
お相手は広森でした。
SEE YOU NEXT WEEK☆