【自転車奔走記】第591回。

【ケアマネの自転車奔走記】連載・第591回。

12月最初の日曜日、皆様いかがお過ごしで
しょうか?
いよいよ師走に突入しました。

私事ですが、齢を重ねるごとに日々、月日の
過ぎるスピードが加速度的に早くなっていま
す。今年は特に早かったような気もしていま
す。一年を振り返るにはまだ少々早いですが、
晴れやかに新年が迎えられるよう、この1年
の振り返りや来年の課題を考え始める良い時
期です。ただ、何かと気忙しくなる時期でも
ありますので、しっかりと立ち位置を定めて、
柔軟かつ着実に日々を送ることが肝要!と自
分に言い聞かせていいます。

年末に向けて何かと忙しくなる方も多いと思
います。冬の脱水やヒートショック防止など、
体調管理は万全にお願いしますね。風邪やイ
ンフルエンザについても、引き続きしっかり
と体調管理をお願いします。
2023年、最
終月の【自転車奔走記】はじまります!
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たきび版:介語苑・73ー42。

【語句】
社会保障(制度)

【意味】
「国民の生活の安定が損なわれた場合」に、
国や地方公共団体などが一定水準の保障を行
う制度(セーフティネット)。

【解説】
今週は生業扶助について、高校進学のための
支援という面からお話をしていきます。因み
に生業扶助には①生業費②技能習得費③就職
支援費④高等学校修学費という4つの支給項
目があり、今回のテーマは④高等学校修学費
ということになります。では早速その内容を
見ていきましょう。

高等学校修学費(以下「修学費」といいます)
は生活保護受給世帯で、高等学校等へ通う方
が対象となるもので、授業料や教材費などを
支給するものです。先ほど「高等学校等」と
書きましたが、対象となる学校は、①高等学
校(全日制、定時制及び通信制)②高等専門
学校③特別支援学校の高等部(別科除く)④
高等学校等での就学に準ずるものと認められ
る専修学校及び各種学校、となっています。

基本的に公立の学校を基準とした制度立てに
なっていますが、私立の学校も生業扶助とは
別の支援(高等学校等就学支援金制度や自治
体の減免制度など)があり、授業料について
は実質無料に近い程度の給付等を受けること
ができます。支給の具体的な内容ですが、修
学費も教育扶助と同様、いくつかの費目に分
かれていますので、簡単に見ていきましょう。

まずは、学用品費、通学用品費に充てる「基
本額」として基準額が毎月支給されます。よ
く似た費目に「学習支援費」というものがあ
って、こちらも毎月基準額が支給されますが、
その内容は教材以外の学習参考書などの購入
費や、課外のクラブ活動に必要な費用に充て
る経費として扱われています。そして「授業
料」ですが、公立高校の授業料は高等学校等
就学支援金制度により授業料不要となってい
るので、実際の支給はありません。
一方、私
立高校の場合は、公立高校の授業料を上限と
した額が「授業料」という費目で支給されて、
不足分を高等学校等就学支援金制度等で充当
するという具合になります。

続いては「教材費」として、教科書や副読本、
ワークブックや辞書など、正規の授業で使用
する図書の購入費用が実費支給されます。そ
して通学のための定期代や通学用自転車の購
入費用に充てる「交通費」も最低限度の額で
実費支給されます。これらの費目は通学を対
象としていますが、高校入学を対象とした費
用も勿論支給されます。まずは「入学考査料」
として入学試験の受験料が支給されます(公
立学校の受験料が基準となります)。そして
見事合格後は「入学準備金」として、学生服、
通学用カバン、靴など学校指定用品の購入に
充てる費用が基準内で支給されます。そして
「入学金」も費目として扱われていて、公立
学校の入学金を上限とした額が支給されます
(私立の場合は、不足分を他の制度を活用し
て補填します)。これらが修学費の費目とな
ります。

さて、一通りお話をしてきましたが、修学費
の費目は教育扶助とほぼ変わりない内容が準
備されていることはご理解して頂いたと思い
ます。様々な制度の改正や創設を経て、現在
では生活保護世帯の方(生活保護ではない困
窮世帯の方も含めます)も、ほぼ問題なく高
等学校へ進学ができるようになっているのは、
教育機会の平等という観点から非常に喜ばし
いことですよね。

これにて高等学校修学費のお話は終わります
が、生活保護の方の教育機会は高校までとい
う訳ではなく、大学や専門学校への進学も勿
論可能です。ですが、少々ハードルが高いこ
とは否めません。次回はその辺りのお話しと、
他の生業扶助についてお話をします。
では、またお会いしましょう。
お相手は広森でした!
SEE YOU NEXT WEEK☆