【ケアマネの自転車奔走記】連載・第521回。
明けたと思った梅雨に逆戻りした感のある日曜、皆
様いかがお過ごしでしょうか?猛暑のあとのジメジ
メ日和で体調を崩している方も多いと思います。節
電も大切ですが、熱中症や脱水症は健康だけでなく
時には命にも影響を及ぼすことがあります。冷房を
適切に使用しての室温管理、そして水分補給で熱中
症の予防をお願いします。そして新型コロナ。また
また患者数が増加に転じて、一部では第7波到来と
も取りざたされています。変異株への置き換わりも
見られるようですが、基本的な対策は変りません。
引き続き必要な対策を毎日の生活の中でしっかり続
けていただくようお願いします。
では【自転車奔走記】はじまります!
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たきび版:介語苑・72-24。
【語句】
睡眠障害
【意味】
睡眠に関連した多種多様な病気の総称。 不眠症や過
眠症、中途覚醒や入眠障害などがある。
【解説】
今週はナルコレプシーの治療についてお話します。こ
の病気についての根治的治療方法は無いのが現状です。
ですが、多くの人は対症的療法でかなりよくなり、そ
して治療を継続することで通常の生活に戻れます。治
療は薬により症状を軽減する「薬剤による治療」と生
活習慣を改善するなどの「一般的な対策」の二本柱で
進められます。一般的な対策としては、夜に十分な睡
眠をとるように心掛けながら、毎日同じ時間(典型的
には午後)に30分未満の短い仮眠をとるようにすれば、
軽度の症状ならこれらの対策で十分な効果を発揮する
そうです。他にも、睡眠表(何時、どれくらい眠った
のかを記録すること)をきちんとつけることにより自
分の睡眠生活が理解でき、それに応じた対策が取れる
ようするというものもあります。薬剤による治療では、
夜の眠りを安定させ、さらに覚醒状態を維持する薬剤
を服用することにより、日中の居眠りを軽減すること
が出来ます。
そして、これらの対策やお薬を使いながら根気よく治
療を続けることで、症状が軽くなり、そして薬の量も
減らすことができるケースが多いようですね。以上の
お話は対処的療法としての治療ですが、社会的な側面
でのサポートも重要な要素です。ナルコレプシーの主
症状は、抗えないほど強い眠気に襲われて眠ってしま
うことですが、このことが原因で、社会生活で大きな
不利益やハンディキャップを負ってしまう場合も少な
くありません。病気に対する社会的理解と患者さんの
生活を支える社会的サポートが治療と両輪で動いてこ
そ、最大効果を発揮することは言うまでもありません。
というところでナルコレプシーについてはおしまいと
なります。続いては②特発性過眠症についてお話しま
す。この病気は慢性的な睡眠不足がない状況、つまり
十分な睡眠時間を取っていても日中に強い眠気が襲い、
そのために日常生活に支障をきたす病気です。さっき
までお話をしていたナルコレプシーとよく似ています
が、ナルコレプシーで特徴的な「レム関連症状」と呼
ばれる「情動性脱力発作」「金縛り」「入眠時幻覚」
などが乏しいことが相違点です。また、この病気は中
枢神経の機能障害が原因が原因と考えられていますが、
よくわかっていない事柄も多く、そのため「特発性」
と呼ばれています。この病気には夜間の睡眠時間が長
い(10時間以上)タイプと睡眠時間が通常のタイプが
あります。また居眠りは1時間以上と比較的長く、目
が覚めた時にすっきり感が乏しいことも特徴です。こ
の病気は発症時期の特定が難しいことが多く、症状は
長期間持続することが多いですが、一部で自然に改善
する症例も報告されています。治療としては、ナルコ
レプシーと同様に睡眠の確保などの一般的対策とお薬
による治療が行われます。
というところで、今週はここまで。
次回は③反復性過眠症・周期性傾眠症についてお話し
ます。では、またお会いしましょう。
SEE YOU NEXT WEEK!