【自転車奔走記】第697回。

【ケアマネの自転車奔走記】連載・第697回。

10月も後半戦に入りました。皆様、いかが
お過ごしでしょうか?この間ラジオを聴いて
いたら、『夏が3週間伸びた』というような
ことをアナウンサーが言っていました。少々
気になったので調べてみると、三重大学のグ
ループが発表したもので、1982年〜2023年
までの42年間における日本の気象データを分
析した結果、夏の期間が約3週間長くなり、
相対的に春・秋が短くなることで二季化が進
行しているという研究結果でした。

確かに、未だに半袖でも日中暑さを感じてい
ますので、体感的にも二季化は進んでいるよ
うな気がします。四季が日本の特徴というか、
文化的な基底になっていることを考えると、
気候面でも文化面でも、私たちは大きな変化
に立ち会っているのかもしれませんね。

さておき、季節の変わり目です。体調管理に
は十分ご注意下さい。予防接種もお早めにお
願いします。
では【自転車奔走記】始まり!
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
たきび版:介語苑・73―137。

【語句】
社会保障(制度)

【意味】
「国民の生活の安定が損なわれた場合」に、
国や地方公共団体などが一定水準の保障を行
う制度(セーフティネット)。

【解説】
今回で長きに渡った「社会保障」の連載も最
後となります。
まずは、思いがけず…という
か想定外の長期連載になってしまったにもか
かわらず、ご覧頂きました皆様方に感謝申し
上げます。

「社会保障」という言葉は色々な場面で見聞
きするにもかかわらず、どうしても学問的と
いうか専門的というか、取っつきにくい外面
をしていますよね。ですが、医療や介護、福
祉に子育て、環境問題、労働問題などなど、
実は私たちにとっては一番身近で、馴染のあ
る施策・制度なんですよね(その分守備範囲
はかなり広く、そして制度立ても細かくなっ
ている訳なんですが)。順繰り的な説明が過
ぎた点もあるかとは思いますが、この連載で
日本での社会保障の枠組みに入る制度や施策
は概ね網羅できたと思います。『こんな制度
があったのか!』や、『この制度はこの部分
であの施策とリンクしていたのか…』などな
ど、皆様の知見に少しでもお役に立てたのな
ら幸せだと思っています。

最後に、社会保障の社会学的な意味について
少しお話をして終わりたいと思います。

産業革命後に貧困や困窮への社会的対策とし
て萌芽した社会保障の考え方は、20世紀に入
って私たちの基本的生活を保障する国家な責
務として定着しました。何度もお話してきま
したが、社会保障は社会の写し鏡、社会の進
展とともに発展してきたということですね。
では21世紀、これからの社会保障はどのよう
になっていくのでしょうか?我が国で毎年の
ように繰り返される制度持続性の問題、少子
高齢化の進行に伴う社会構造、社会モデル急
激な変化、社会問題の発生と細分化していく
制度など、課題や問題は山積どころか、日々
増えているのが現状です。これについては様
々な専門家が議論を重ねていますが、キーワ
ードの一つとして「共生」を挙げることがで
きると考えています。それは、ミクロレベル
では、地域共生社会やソーシャルインクルー
ジョンに代表される人と人、人と地域・社会
との繋がり(共生)により創出される資源と
しての社会保障、そしてマクロレベルでは国
家制度としての社会保障から脱却し、一人一
人が参加しながら(共生)、私たちの社会と
尊厳を守り、維持する仕組みを支える社会保
障への転換を意味しています。

与えられるものとしての享受型社会保障から、
一人一人が参加し、尊重し合う共生型社会保
障へ、社会保障が今後どのように変遷してい
くのかを参加しながらデザインしていきたい
と思います。

というところで、社会保障についての連載は
これにて終了!
改めて、皆様、ありがとうご
ざいました。
次も色々な企画を考えています
ので、お楽しみに。
では、またお会いしましょう。
お相手は広森でした!
See You Next Week☆