【自転車奔走記】第679回。

【ケアマネの自転車奔走記】連載・第679回。

6月も丁度折り返しの日曜日。皆様いかがお
過ごしでしょうか?連日の雨、雨、雨、そし
て梅雨のジメジメな毎日が続いています。気
温も上がってきています。梅雨型熱中症には
引き続いて十分に注意して、室温管理、水分
補給、十分な休養など万全の備えでお過ごし
ください。また、近年はこの時期に大雨災害
が頻発しています。災害への備えもしっかり
お願いします。
では【自転車奔走記】はじまります!
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たきび版:介語苑・73ー119。

【語句】
社会保障(制度)

【意味】
「国民の生活の安定が損なわれた場合」に、
国や地方公共団体などが一定水準の保障を行
う制度(セーフティネット)。

【解説】
引き続いての「環境衛生・公害関連」の振り
返り、今週は制度面でのお話になります。

日本での環境衛生および公害対策に関する現
行制度は、国民の健康の保護と良好な生活環
境の確保を目的としながら、様々な法律や制
度により構成されています。注意するべき点
は、これらの法制度は主に環境省が所管する
環境基本法を中心とした環境政策系のもの、
そして厚生労働省が所管する生活環境や建築
物衛生などの公衆衛生系のものから成り立っ
ている点です。では、環境分野から見ていき
ましょう。

環境分野の基本法として1は、993年に制定さ
れた「環境基本法」があります。この法律は
(基本法)というだけあって、日本の環境政
策の基礎となるべきもので、持続可能な社会
の実現と公害防止、自然環境の保全を包括的
に定めたもので、国や地方公共団体、事業者
・国民の責務を明記しています。そして、こ
の基本法に基づいて、大気汚染、水質汚濁、
土壌汚染、騒音、悪臭、振動などを対象とす
る個別法が整備されているという構造になり
ます。主な個別法には、工場や自動車などに
よる大気汚染を規制する「大気汚染防止法」、
有害物質を含む排水の基準を定める「水質汚
濁防止法」、重金属や農薬などによる土壌の
汚染を対象とする「土壌汚染対策法」などが
あります。他にも、「騒音規制法」や「悪臭
防止法」は、地域住民の生活環境を守るため、
工場・交通・事業活動などに起因する感覚公
害に対応したものです。加えて近年では、有
害化学物質に関する情報公開と管理のため、
「化学物質排出把握管理促進法(PRTR法)」
が制定・運用されていて、化学物質の排出量
の届出、そして情報公開を通じたリスクの管
理が行われています。

また、「ダイオキシン類対策特別措置法」で
は、ごみ焼却施設などからの有害排出物の規
制を強化しています。一方の公衆衛生領域で
はどうなっているか?というと、生活環境の
整備として、「水道法」や「下水道法」「廃
棄物処理法(廃棄物の処理及び清掃に関する
法律)」などがあり、感染症予防や地域衛生
の基盤整備の上で重要な法律となっています。
また、「建築物衛生法(ビル管理法)」によ
り、一定規模以上の建築物における空気・給
水・排水・清掃・防虫などの衛生管理が義務
付けられていて、近年の室内空気汚染やシッ
クハウス対策にも対応しています。自治体レ
ベルでは、地域保健法に基づいて保健所が、
生活衛生監視、公害苦情対応、衛生指導など
の公衆衛生活動を実施しており、環境衛生と
健康リスクの監視体制を支えています。

このように現行の制度体系は、〇公害の予防
と生活環境の衛生管理を両立させる〇環境リ
スクに対する公衆衛生的な視点の維持〇科学
的根拠に基づく政策形成とリスクコミュニケ
ーションの強化、を目指したものとなってい
ます。そして今後は、気候変動や新興化学物
質といった新たな課題にも柔軟に対応できる
制度運用が求められています。

と言うところで今週はここまで。
次回は「地域保健・高齢者保健関連」につい
ての振り返りになります。
では、またお会いしましょう。
お相手は広森でした!
See You Next Week☆