【自転車奔走記】第660回。

【ケアマネの自転車奔走記】連載・第660回。

1月最後の日曜日。皆様いかがお過ごしでし
ょうか?最近、昼が少し長くなったように感
じます。あっという間に過ぎてしまっていた
夕方の時間が、だんだん長くなっていますね。
当たり前と言えばその通りなんですが、夕暮
れ時が長くなるごとに春に近づくと思えば、
冬の寒さも少しは和らぎ…ませんよね(笑)

まだまだ春は先ですね。寒さもこれからが本
番。風邪など体調を崩さないようお過ごしく
ださい。そしてインフルエンザ、新型コロナ
もまだまだ警戒が必要です。マスク、手洗い、
うがいの感染症対策三点セットの徹底をお願
いします。そして、ヒートショック予防など
日ごろの健康管理もお願いします。
では【自転車奔走記】はじまります!
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たきび版:介語苑・73ー100。

【語句】
社会保障(制度)

【意味】
「国民の生活の安定が損なわれた場合」に、
国や地方公共団体などが一定水準の保障を行
う制度(セーフティネット)。

【解説】
社会保障についての振り返りとして、今週か
ら『社会福祉』についてです。社会福祉とは、
病気や経済的困窮、社会環境など様々な理由
で社会的に弱い立場にある方々が、その尊厳
を守り、社会の中で自律して生活が続けられ
るために行われる支援のことを指します。そ
の意味でいうと、前回までお話してきた社会
保険や公的扶助も広義の社会福祉に一部包含
されますが、今回振り返るのは制度としての
社会福祉になります。まずはその歴史から。

制度としての社会福祉の歴史は古く、その起
源を厩戸王(聖徳太子)が行った悲田院とい
う貧窮病者に対する社会福祉事業に求めるこ
とができるほどですが、近代的な福祉国家の
価値観に基づく制度として社会福祉の歴史は、
明治期がその出発点とされています。明治期
から戦前までの社会福祉制度は、生活困窮者
に対する貧窮対策が殆どでした。また、当時
は福祉一般の支援や活動は国家の責務という
より、地域社会の共同や慈善団体の事業に依
って行われるものという認識が一般的でした。

そして戦後、日本国憲法の制定に伴い社会福
祉の実施は国家の責務とされ、児童福祉法、
身体障害者福祉法、そして生活保護法(改正)
の福祉三法が成立し、近代福祉国家としての
社会福祉が始まりました。その後、時代の変
化に応じて様々な制度の改正が行われ、現在
は福祉八法(生活保護法、児童福祉法、身体
障害者福祉法、知的障害者福祉法、老人福祉
法、母子及び父子並びに寡婦福祉法、社会福
祉法、高齢者の医療の確保に関する法律)が
我が国の社会福祉制度の基礎となっています。

さて、社会福祉の歴史を振り返る際に忘れて
はいけない視点の一つとして、社会福祉は時
代のニーズとリンクして発達・発展してきた
というものがあります。一番わかりやすい例
が戦後に成立した児童福祉法と身体障害者福
祉法で、成立当初の目的は総合的な福祉施策
というより、社会的な問題となっていた戦災
孤児対策及び傷痍軍人対策を念頭においたも
のでした。他にも、高齢化社会が問題となり
つつあった平成初頭は介護保険を始めとした
高齢者福祉に重点が、そして少子高齢社会化
が顕著になった現在は、制度の持続可能性に
フォーカスした施策が重点的に行われていま
す。このように、社会福祉の歴史は、社会の
発展の歴史を写す鏡として見ることができま
すね。

というところで今週はここまで。
次回も引き続き社会福祉を振り返ります。
お相手は広森でした!
See You Next Week☆