【ケアマネの自転車奔走記】連載・第522回。
雨と晴れの繰り返し。皆様、いかがお過ごしでしょ
うか?湿った空気の影響で、気温と湿度が高い蒸し
暑い日が続いています。このような日は太陽がギラ
ギラ照っている日に比べて油断しがちですが、熱中
症や脱水症の危険性は大きく変わりません。くれぐ
れも、冷房を適切に使用しての室温管理、そして水
分補給で熱中症の予防をお願いしますね。新型コロ
ナについても新規感染者が急増していて第7波到来
との見方が有力になっています。ですが、基本的な
対策は今までと変りません。会話時マスク着用(屋
外は状況に合わせて)、密の回避、そして手洗い消
毒と必要な感染防止対策を毎日の生活の中でしっか
り続けていただくようお願いします。さらに、4回
目のワクチン接種も進んでいますので、対象となっ
た方は是非とも検討してくださいませ。
では【自転車奔走記】はじまります!
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たきび版:介語苑・72-25。
【語句】
睡眠障害
【意味】
睡眠に関連した多種多様な病気の総称。 不眠症や過
眠症、中途覚醒や入眠障害などがある。
【解説】
今週は中枢性過眠症のうち反復性過眠症・周期性傾
眠症についてお話します。この病気は非常に稀な病
気で、数日から1~2週間程度(平均約10日間)の
過眠病相(強い眠気をもよおす状態)が続き、その
間は昼夜を問わず毎日16~20時間も眠り続けるのが
特徴で、この傾眠期は年に数回から10回以上見ら
れることもあります。傾眠期には、大きな声で揺り
起こすなど強い刺激を与えるといったん目は覚まし
ますが、覚醒していてもぼんやりとして口数は少な
く、集中力や注意力も散漫となります。また、新し
いことへの関心や興味が薄れて、放置すると再び眠
り込んでしまいます。もう一つの特徴は、傾眠期に
は『現実感がなくなった』と訴えることが多く、無
茶食いをしたり、逆に食事をとらないといった食行
動の異常や、無遠慮な行動(「脱抑制行動」と呼ば
れます)をとるケースが多くみられるそうです。
ですが、そのような症状があったとしても食事や排
せつは自力でできます。そして、この病気の最大の
特徴は、過眠の病相がなくなった期間(「間欠期」
と呼ばれます)には、傾眠期にみられた認知や行動
の障害が完全に消失して正常となることです。因み
に、この病気は普通は『反復性過眠症』と呼ばれる
ことが多いですが、過眠病相が通常1年1回以上(平
均3ヵ月に1回)起きることから『周期性傾眠症』と
呼ばれることもあります。ではこの病気の原因は何
か?と言いますと、現在のところ明確な原因は不明
なんですが、何らかの刺激が覚醒中枢(脳の覚醒を
保持する部分)や睡眠中枢(睡眠をコントロールす
る部分)のバランスを乱し、不定期で傾眠期が現れ
るのではないかと考えられています。ですので、治
療法についても現在の所はしっかりと確立はされて
いません。
ですが、予防に効果が認められているお薬もあるよ
うですので治療方法については薬物療法が軸になっ
てきます。また、心身のストレスが多くなると傾眠
期が現れやすい傾向があるため、可能な範囲で心身
を疲労させ過ぎない、ストレスを溜めないような生
活の見直しも勧められています。
というところで、今週はここまでとなります。
次回は、中枢性過眠の最後「睡眠不足症候群」につ
いてお話したあと、過眠症について簡単にまとめを
します。では、またお会いしましょう。
SEE YOU NEXT WEEK!