【自転車奔走記】第672回。

【ケアマネの自転車奔走記】連載・第672回。

4月最後の日曜日、皆様いかがお過ごしでし
ょうか?いよいよ大型連休の期間に入ります。
今年は万博など見所もたくさんあり、行楽を
ご計画されている方も多いのでは?。年度初
めでなにかと忙しかった皆様も、一息のリフ
レッシュを楽しんで下さいませ。

さて、そろそろ日差しも初夏を感じさせる強
さになってきた気がします。水分補給、そし
て健康管理はしっかりとされてますでしょう
か?万全の体調管理でGWを楽しんで下さい。
では【自転車奔走記】はじまります!
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たきび版:介語苑・73ー113。

【語句】
社会保障(制度)

【意味】
「国民の生活の安定が損なわれた場合」に、
国や地方公共団体などが一定水準の保障を行
う制度(セーフティネット)。

【解説】
引き続き③母子保健の振り返り、今週は制度
面からのお話になります。

先週のお話で、日本の母子保健制度は、妊娠
から出産、育児までの期間において、母親と
子どもの健康を守ることを目的として発展し
てきた歴史を振り返ってみました。また、近
年では少子化の進行や家庭の多様化を背景に、
「制度」の役割がますます重要になっている
ことにも触れました。その日本の母子保健制
度ですが、基礎となるのは1965年に制定され
た「母子保健法」になります。同法は母子保
健制度の中核をなす法律であり、妊娠・出産
・育児期を通じた母子の健康管理体制の整備
を目的として整備されています。

では、早速その内容を振り返ってみましょう。
「母子保健法」は、妊産婦および乳幼児の健
康診査、健康教育、栄養指導などの支援を市
区町村が中心となって実施することを定めて
いる法律で、妊娠から出産、育児初期に至る
までの切れ目ない支援と保健サービスの提供
を目的として運用されているものです。では、
同法が定めている具体的な支援の内容を見て
みましょう。

最初は①【妊娠届出と母子健康手帳の交付】
です。妊娠が分かったら、市区町村に届け出
ることで母子健康手帳(通称:母子手帳)が
交付されるものです。因みに、この母子健康
手帳の制度により、妊娠中から乳幼児期にか
けての健康情報が一元的に記録・管理される
仕組みが確立され、母子の健康管理上非常に
有用なツールとして活用されています。

続いては②【妊婦健診の助成】です。この制
度は、自治体が一定回数分の妊婦健康診査費
用を助成するもので、早期の異常発見や健康
管理を促すことを目的としています。

そして③【出産後訪問指導(新生児訪問)】
があります。これは、生後間もない赤ちゃん
のいる家庭に保健師や助産師が訪問し、赤ち
ゃんやお母さんの健康を確認したり、不安や
悩みについて相談に乗る支援で、次の④【乳
幼児健診】、1歳半、3歳などの時期に、発育
・発達をチェックする健康診査と併せて、母
子の健康管理や異常の早期発見を切れ目なく
支援する制度となっています。

そして⑤の【保健指導や相談支援】、保健セ
ンターなどで、栄養指導や母親学級などの講
座や個別の相談、地域母子保健推進員による
相談支援が受けられる制度となっています。

以上が母子保健法の主な制度ですが、母子保
健制度はこの法律だけで機能しているのでは
なく、「児童福祉法」や「母子及び父子並び
に寡婦福祉法」など他の福祉制度とも連携し
て制度を支えています。また少子化対策とし
て策定された「エンゼルプラン」(1994年)
や「子ども・子育て支援法」(2012年)そし
て2023年に設立された「こども家庭庁」など
も、制度としての母子保健施策の発展に大き
く寄与しています。

というところで、母子保健の振り返りは終了
します。
次回は、いよいよオーラスの④「公
衆衛生」について振り返ります。
では、またお会いしましょう。
お相手は広森でした!
SEE YOU NEXT WEEK☆