【自転車奔走記】第689回。

【ケアマネの自転車奔走記】連載・第689回。

8月も後半戦となりました日曜日、皆様いか
がお過ごしでしょうか?8月も終盤にさしか
かると、稲刈りを終えた田んぼが目立つよう
になってきました。私は田舎で育ったせいか、
或いは日本人としての土着DNAのせいか、お
米の生産サイクルで季節を感じてしまいます。
と、ちょっと随想的に書きましたが、本音は
『今年の米価はどれくらいになるのか…』が
心配なだけです(笑)。

さて、まだまだ猛暑は続きそうです。熱中症
対策は万全にお願いします。それと、夏風邪
や新型コロナウイルス感染症など健康管理に
も十分ご注意下さい。
では【自転車奔走記】はじまります!
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たきび版:介語苑・73ー129。

【語句】
社会保障(制度)

【意味】
「国民の生活の安定が損なわれた場合」に、
国や地方公共団体などが一定水準の保障を行
う制度(セーフティネット)。

【解説】
今週も公衆衛生(活動)の振り返り、今回は
「食品衛生」についてです。
食品衛生とは、
食品が安全で、人の健康を損なうことのない
ように、食品の生産から消費までのすべての
段階で、食品の安全性、健全性、および悪化
防止を確保するための手段のことを指します。
因みにWHO定義では『栽培(生育)、生産、
製造から最終的に人に消費されるまでのすべ
ての段階における食品の安全性、完全性、健
全性を保障するのに必要なあらゆる手段』と
されています。

具体的には、①安全性(食品が病原菌や有害
物質を含まず、消費者の健康を損なうリスク
がない状態であること)②完全性(食品が本
来の品質を保ち、異物混入や変質がない状態
であること)③健全性(食品が栄養価や風味
を損なうことなく、消費者の健康に良い影響
を与える状態であること)とされています。
そして、これらの要素を包含することで、食
中毒や異物混入などの危害を防止し、食品の
製造、加工、販売、調理、保管、輸送、表示
など、あらゆる段階食品が本来の役割を十分
に発揮できるようにするわけですね。

日本における食品衛生は、公衆衛生活動の重
要な柱として制度的に整備されてきました。
戦前は食中毒や伝染病対策の一環として、衛
生活動よりも警察的な活動として取り締まり
がメインでしたが、第二次世界大戦後、深刻
な食糧不足や不衛生な環境もあって、食品の
安全確保が社会的課題となりました。このこ
とが食品衛生の転機となります。1947年に
「食品衛生法」が制定され、食品の製造から
流通・販売までを一貫して規制・監督する枠
組みが整えられました。

この法律により、食品衛生は大きな変化を遂
げ、国民の健康保護を目的として保健所によ
る監視指導、営業許可制度、食品添加物や器
具容器包装の規制などが導入されました。そ
の後も大規模食中毒の防止や食品添加物の安
全性確保、輸入食品の増加などの課題に対応
した制度改正が続き、2003年には食品安全基
本法が制定されるに至っています。また、国
際的な衛生基準の動向を踏まえ、2018年の食
品衛生法改正により、国際的な基準との整合
性が強化されています。

そして現在、食品衛生は「地域における公衆
衛生活動」として、監視指導(保健所が飲食
店・食品工場を立入検査し、衛生管理の状況
を確認すること)、食中毒予防(発生時には
原因究明・拡大防止を図る。平時では啓発活
動を通じて食品の安全と健康の増進を図る)、
リスク評価と情報提供(多様化が進む食品添
加物、残留農薬、遺伝子組換え食品などにつ
いて科学的評価を行い、消費者へ分かりやす
く情報提供する)、そして国際対応(食品の
輸入検査や国際基準(コーデックス委員会)
との整合性を確保する)、これらの活動を柱
に、食生活を通じて日常的に健康を守るため
の基盤として食品衛生は機能しています。

というところで今週はここまで。
次回は「住居衛生」について振り返ります。
では、またお会いしましょう。
お相手は広森でした!
See You Next Week☆