【自転車奔走記】第661回。

【ケアマネの自転車奔走記】連載・第661回。

飛び石連休最初の日曜日。皆様いかがお過ご
しでしょうか?冬本番らしい寒い日が続いて
いますね。体調は大丈夫でしょうか?

健康のためにも『マスク、手洗い、うがい』
の感染症対策三点セットの徹底をお願いしま
す。また、しっかりとした睡眠と食事・水分
摂取などの健康管理もお忘れなく。健康を保
って冬本番を乗り切り、春の訪れを元気に迎
えましょうね。
では【自転車奔走記】はじまります!
ーーーーーーーーーーーーーーー
たきび版:介語苑・73ー102。

【語句】 
社会保障(制度)

【意味】
「国民の生活の安定が損なわれた場合」に、
国や地方公共団体などが一定水準の保障を行
う制度(セーフティネット)。

【解説】
今週も社会福祉の振り返り、テーマは②【高
齢者福祉】です。さて、高齢者福祉といえば
介護保険を思い浮かべる方が多いと思います。
実際、高齢者人口のうち、何らかの介護サー
ビスを利用されている方は少なくありません。
ですが、(高齢者福祉=高齢者介護)ではな
いんですね。『高齢者が、介護が必要になっ
ても、住み慣れた地域や住まいで尊厳ある自
立した生活を送ることができる(厚生労働省
HPより引用)』ための様々な施策や制度や取
り組み、それらを総称したものが【高齢者福
祉】となる訳です。いわば、高齢者のセイフ
ティーネットですね。

さて、高齢者福祉の制度も時代と共に変化・
変遷してきました。日本において高齢化社会
が問題になり始めたのが1960年代で、以
前から社会問題となっていた高齢者の増加、
高齢者の就労機会の減少に対応するために老
人福祉法が制定されました。これが日本にお
ける高齢者福祉の一つの転換点でした。その
後、高齢化社会から高齢社会、さらには超高
齢社会、そして現在の少子高齢社会へと至る
社会構造の変化、認知症疾患の増加、孤立・
無縁社会、虐待など高齢者を取り巻く社会状
況の変化に応じて、介護保険法を始めとした
様々な法令や制度、取り組みが検討・実施さ
れて現在に至っております。

では、現在の日本における高齢者福祉にどの
ような制度や取り組みがあるのか、簡単に振
り返りましょう。現時点で日本の高齢者福祉
の軸となっているが「地域包括ケアシステム」
と呼ばれるもので、『重度な要介護状態にな
っても、住み慣れた地域で自分らしい暮らし
を人生の最後まで続けることができるよう、
住まい、医療、介護・介護予防と生活支援が
一体的に提供される(厚生労働省HP引用)』
社会的な仕組みです。制度面で見ると、(住
まい)の分野では「高齢者の居住の安定確保
に関する法律」や「バリアフリー法(通称)」
医療の分野では「高齢者の医療の確保に関す
る法律(後期高齢者医療制度)」があります。

介護の分野では「介護保険法」「老人福祉法」
があります。介護予防と生活支援の面では、
先述の介護保険法や「高齢者虐待防止法」、
「成年後見制度」などを挙げることができま
すね。さらには社会的な取り組みとして2023
(令和5)年6月に成立した、認知症施策の総
合的かつ計画的な推進を目的とした「認知症
基本法」(共生社会の実現を推進するための
認知症基本法)も重要な施策です。

高齢者福祉の制度は時代の移りに伴って変遷
し、発展し続けている訳ですが、高齢者の生
活を支えるためには、このような公的なサー
ビスだけでなく、地域社会全体として、見守
りをはじめとする「支え合い」や「助け合い」
などインフォーマルなサービスの充実が必要
で、近年はその重要性が増々高まっています。
また、高齢者福祉に限ったことではありませ
んが、地域の実情やニーズに合わせた制度立
てやサービスの展開など、市町村自治体の果
たす役割も飛躍的に高まっています。これか
らの高齢者福祉は、地域が主体となって、多
様な担い手による介護予防・生活支援サービ
スの充実を図りつつ、支え合い・助け合う地
域社会づくりをめざした取り組みが進められ
ているんですね。

と言うところで今週はここまで。
次回は③障がい者福祉について振り返ります。
では、またお会いしましょう。
お相手は広森でした!
SEE YOU NEXT WEEK☆