チュクチュク・オーシ。

秋桜がシンクロしながら、風にピンクの
花をなびかせています。昨日まで秋だっ
たのに今日は夏日。気候はまだ不安定。

さて、T様が手にされている文庫本は、
梶井基次郎の『檸檬』。「この人、松阪
のこと書いとんやに!」とT様。そう、
松坂城跡を中心に松阪を舞台にして描い
た小説『城のある町にて』は有名ですよ
ね。実はこの本にも収録されています。

「これ読むと子どもの頃の松阪思い出す
ん」「家が遊郭やった子がおってな…」
と昔を語って下さいました。T様に少し
読ませていただくと、小説の松阪と今の
松阪は随分違いますが、どことなく懐か
しく感じてしまいます。「つくつく法師
とこ面白いん」とのT様のお勧めは…
「チュクチュクチュク」
「オーシ、チュクチュク」
「チュクチュク、オーシ」
「スットコチーヨ」
「スットコチーヨ」

「ジー」
(本文より抜粋、途中略)
という、基次郎の蝉の描写だそうです。

T様との会話を楽しんだあと、松阪城
へ行って、松阪の街並を眼下に眺めなが

ら「スットコチーヨ」を聞いてみたい!
と、なぜか無性に思ってしまいました。