【自転車奔走記】第528回。

【ケアマネの自転車奔走記】連載・第528回。

不安定な天気が続いている日曜日です。皆様いか
がお過ごしでしょうか?今年はラニーニャ現象の
影響か、8月の中旬頃から秋雨前線が停滞し、す
っきりしない雨の日が続いていますね。通常の秋
雨であれば日が経つにつれ徐々に大陸性の高気圧
が優勢になり、秋らしい涼しい風を感じることが
できるのですが、今年はいつまでたっても太平洋
高気圧の暖かく湿った空気が流れ込んできていま
す。早く秋の到来を空気でも感じたいですね!

まだまだ残暑が続きます!引き続きこまめな水分
補給や室温管理など、脱水症や熱中症の予防をお
願いします。そして新型コロナウイルス感染症に
ついても、手洗い、マスクの適切な着用、密の回
避、こまめな換気など基本的な感染予防対策をし
っかり行い、引き続き感染予防に努めて下さい!
では【自転車奔走記】はじまります!
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たきび版:介語苑・72-31。

【語句】
睡眠障害

【意味】
睡眠に関連した多種多様な病気の総称。 不眠症や
過眠症、中途覚醒や入眠障害などがある。

【解説】
今週からは良い睡眠を取るための実践的な方法や
考え方について具体的にお話していこうと思いま
す。その手引きとして以前ご紹介した2014年(平
成26年)に厚生労働省が作成した『健康づくりの
ための睡眠指針 2014~睡眠 12 箇条~』を順に追
ってお話していきます。まずは、再掲になります
が上記の『睡眠12箇条』を見てみましょう。

◎睡眠12箇条
1.良い睡眠で、からだもこころも健康に。
2.適度な運動、しっかり朝食、ねむりとめざめ
       のメリハリを。
3.良い睡眠は、生活習慣病予防につながります。
4.睡眠による休養感は、こころの健康に重要。
5.年齢や季節に応じて、ひるまの眠気で困らな
       い程度の睡眠を。
6.良い睡眠のためには、環境づくりも重要です。
7.若年世代は夜更かし避けて、体内時計のリズ
       ムを保つ。
8.勤労世代の疲労回復・能率UPに十分な睡眠。
9.熟年世代は朝晩メリハリ、適度な運動を。
10.眠くなってから寝床。起床時刻は遅らせない。
11.いつもと違う睡眠には、要注意。
12.眠れない苦しみをかかえず専門家に相談を。

色々参考になることが挙げられていますので、早
速順を追って見ていきましょう。

第1条 良い睡眠で、からだもこころも健康に。
(解説)この条文は良い睡眠の効果や効能につい
て述べています。折に触れてお話してきたことで
はありますが、睡眠は心身の回復を行う働きがあ
り、食事や運動、喫煙、飲酒などの生活習慣と同
じように健康に深く関わっている人間の生理的な
活動です。質の良い睡眠をとることで、睡眠~覚
醒という私達の生活リズムが整いやすくなり、そ
の結果、体内のホルモンのバランスも保たれやす
くなります。

そのことは、肥満や高血圧、耐糖能障害、循環器
疾患、メタボリックシンドロームといった生活習
慣病の予防につながり、さらには抑うつや不安な
どのこころの不健康も予防できることが期待でき
ます。そして、質の良い睡眠が得られるという事
は覚醒時の状態が良くなることも意味しますので、
覚醒している時間を活動的に過ごすことができま
す。そしてその活動的な生活がまた、良質な睡眠
をもたらすという好循環に繋がります。

第2条 適度な運動、しっかり朝食、ねむりと
     めざめのメリハリを。
(解説)適度な運動を習慣的に行うことは、入眠
を促進し、中途覚醒を減らすことにもつながりま
す。また、しっかりと朝食をとることは身体の目
覚めを促します。運動と朝食、これらの規則正し
い生活習慣によって、睡眠と覚醒のリズムにメリ
ハリをつけることができ、そのことが質の良い睡
眠に繋がってきます。ここで注意するべき点は入
眠を妨げる様々な因子の存在。先ほど「適度な運
動」とお話しましたが、就寝直前にハードな筋ト
レをするなど激しい運動をすることは入眠を妨げ
る因子になります。就寝前の夜食の摂取も同様で、
体温が下がりにくくなり眠りが浅くなることが知
られています。就寝前のアルコール摂取にも注意
が必要です。

アルコールは入眠を一時的には促進しますが、中
途覚醒が増えて睡眠が浅くなり、熟睡感が得られ
なくなります。また、寝酒を続けているとだんだ
ん慣れてきて、量が増える傾向があります。つま
り快適な睡眠を取るための手段としての寝酒が生
活習慣病の原因となってしまうことになるんです。
コーヒーやお茶に含まれるカフェインも入眠を妨
げたり、睡眠を浅くする可能性があることは広く
知られていますね。同様に煙草に含まれるニコチ
ンも、覚醒作用があるため、就寝前の喫煙は入眠
を妨げ、睡眠を浅くします。このように入眠を妨
げる様々な因子には十分注意しながら、適度な運
動と朝食による睡眠・覚醒リズムを健康的に保つ
ことが質の良い睡眠の第一歩という訳なんですね。

というところで今週はここまで。
次回も睡眠12箇条についてお話を続けます。
SEE YOU NEXT WEEK!