【自転車奔走記】第511回。

【ケアマネの自転車奔走記】連載・第511回。

4月最後の日曜日になりました。皆様、いかがお過
ごしでしょうか?
バタバタした年度初めの4月も終
わり、晩春から初夏の移ろいを穏やかに感じられる
5月になります。また、今週末からGWに入る方も
多いと思います。

徐々に気温の高い日も増えてくると思いますし、行
楽等の外出機会も増えそうな様子ですので、水分補
給や十分な休養など、脱水症予防にそろそろ取り掛
かるようお願いしますね。また、新型コロナについ
ても、感染者数が高止まりし一部では第7波到来と
も言われています。行政が発出する情報には注意し
ていただき、また感染予防対策もしっかり続けてい
ただくようお願いします。
では【自転車奔走記】はじまります!
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たきび版:介語苑・72-14。

【語句】
睡眠障害

【意味】
睡眠に関連した多種多様な病気の総称。 不眠症や過
眠症、中途覚醒や入眠障害などがある。

【解説】
今週からは「過眠症」についてお話します。この前お
話したとおり、過眠症とは「夜間十分な睡眠をとって
いるにも関わらず、少なくとも3ヶ月以上に渡って日
中に耐え難い眠気が生じる状態」とされています。こ
の過眠には様々な原因や要因があり、「過眠症」とい
う病気そのものもあれば、他病気の一症状として「過
眠」が現れることもあり、さらに季節など環境的な要
因も考えられます。ですので、過眠(症)を知るには、
一体どのようなものがその原因や要因となるのか?を
ある程度知っておくことが重要になりますし、治療も
同様になります。では、過眠(症)が発生する原因等
をまず見ていきましょう。

まずは(日常生活上の問題で過眠が現れる場合)です。
この場合は、①睡眠不足②睡眠の質の低下を起こす環
境③摂取物質の影響、の3つを考えることが出来ます。
①の(睡眠不足)が原因で過眠が現れる場合は、慢性
的な睡眠不足や長時間睡眠者が十分な睡眠時間を確保
できなかった場合などの原因を想定することが出来ま
す。②の(眠の質の低下を起こす環境)については睡
眠に適さない音、光、温度、湿度、寝具など睡眠環境
的要因が日中の過眠の原因となります。そして③(摂
取物質の影響)は、アルコール、カフェイン離脱(い
わゆるカフェイン中毒の症状で、日常的にカフェイン
を摂取していた人がカフェインの摂取を急に止めると
頭痛や眠気、倦怠感などの症状(離脱症状)を呈する)
抗アレルギー薬の副作用による眠気や睡眠薬の影響を
挙げることができます。続いては(病気の一症状とし
て過眠が現れる場合)です。

この場合は、花粉症や脳血管疾患、頭部外傷、全身性
炎症疾患、甲状腺機能低下症などの病気が原因となる
④(身体疾患)のケース、⑤(心理的ストレス)とし
て、精神疾患や過度の緊張感、不安や抑うつ気分、不
眠症、うつ病、双極性障害などを考えることができま
す。また、これらの病気やストレスとは別に睡眠その
ものに影響を与える病気として⑥(睡眠の質低下を起
こす疾患)も考えられます。睡眠時無呼吸症候群、む
ずむず脚症候群、周期性四肢運動障害がその代表格に
なります。

最後には体内時計や睡眠リズムの不調として⑦(概日
リズム睡眠・覚醒障害)があり、時差ぼけや交代勤務
による睡眠リズムの不調や睡眠・覚醒相後退障害(入
眠時間が遅く、朝は起きることができないために概日
リズムが一定に遅くなること)などを挙げることがで
きます。そして上述の①~⑦にも当てはまらない場合
などは、【過眠症】として過眠そのものが症状となる
病気が疑われます。この過眠症は⑧(中枢性過眠症)
と呼ばれ、ナルコレプシー、特発性過眠症、反復性過
眠症(クライネ-レビン症候群)などを挙げることができ
ます。

このように過眠(症)と一口で言っても原因や要因は
様々ですので、当然のことながら対処法も変わってき
ます。ですので、過眠の症状で困っている場合は、専
門の医師に相談してしっかりと原因を把握してから対
処や治療を始めることが重要ですね。
というところで今週はここまで。
次回からは、①~⑧の過眠(症)を引き起こす様々な
要因や原因について補足的にお話をしていこうと考え
ています。
では、またお会いしましょう。
SEE YOU NEXT WEEK!