【ケアマネの自転車奔走記】連載・第505回。
3月も半ば、皆様いかがお過ごしでしょうか?
先日少し遅めの春一番が吹き、日中の気温も上
がり初春の色合いが日増しに濃くなってきてい
ます。ただ、この時期は昼夜の寒暖差が大きい
ので体調には十分ご注意下さい。
また、新型コロナウイルスについても引き続き
警戒が必要です。基本的感染症対策の①こまめ
な手洗い②換気③密の防止④不要不急の外出を
控える、これらの対策の徹底を続け、年度末の
感染の拡大を防ぎましょう!
では【自転車奔走記】はじまります。
—————————————————–
たきび版:介語苑・72-9。
【語句】
睡眠障害
【意味】
睡眠に関連した多種多様な病気の総称。 不眠症
や過眠症、中途覚醒や入眠障害などがある。
【解説】
今週からいよいよ本題の「睡眠障害」について
のお話になります。まずは前段としてお読み下
さい。睡眠障害、読んで字のごとく、睡眠に関
連した多様な病気をまとめてそう呼ぶんですが、
要は睡眠に何らかの問題がある状態を指し示す
ことと考えていただければOKです。今まで見て
きた通り、睡眠は単に心身を休め回復するだけ
ではなく、記憶の定着やホルモン分泌による免
疫機能の強化、さらには身体のメンテナンスな
ど私たちの身体にとって非常に重要な働きを担
っています。
ですが、その機能を十分に発揮するためには適
切、つまり睡眠という身体活動が十分な効果を
発揮するだけの十分な時間や質が確保できてい
るというのが前提になります。では睡眠に伴う
活動が十分に発揮されない状態(『睡眠が障害
される』と呼びます)が続くとどうなるか?当
然のことながら睡眠の障害は私たちの日中の活
動へ支障をきたし、また心身の健康に大きな影
響を与えることになります。例えば、よく耳に
する(睡眠時無呼吸症候群)からくる日中にみ
られる睡眠障害の症状は、車の運転を始め重大
事故につながることはよくご存じだと思います。
また、睡眠時間の不足や頻度の高い夜間覚醒な
ど睡眠の質が低下すると生活習慣病やうつ病な
どの発症リスクも高くなることがあります。ま
た、ケアマネ稼業をしていると、本当に多くの
高齢者の方が不眠を訴えられていますし、睡眠
剤の定期服用をしている方も沢山おみえになり
ます。余談ですが日本人の5人に1人が何らかの
睡眠問題を抱え、60歳以上では約3人に1人に及
ぶというデータがあり、睡眠障害はもはや国民
病と言われています。睡眠についての研究が進
んでいなかったころには(睡眠=眠る=休む)
という単純公式が一般的でしたので、その帰結
として、寝る間も惜しんで勉強したり働くこと
が美徳や美談として捉えられていたことは事実。
ですが、今までお話をしてきた通り、現在では
睡眠は健康を保つ重要な身体活動の一つである
という認識に変わりましたので、睡眠の問題は
健康の問題として各自がしっかり対処し、必要
であれば治療などを受けるのが大切になります。
これから様々な睡眠障害のお話や対処法、治療
などについてお話していきますが、身近にある
睡眠障害という問題への認識を持っていただき、
皆様ご自身の健康と生活の質(QOL)をしっか
り維持していくために少しでもご参考になれば
と考えています。よろしくお付き合い下さい。
では、次週から睡眠障害について具体的なお話
を進めていきます!
では、またお会いしましょう。
SEE YOU NEXT WEEK!