【ケアマネの自転車奔走記】連載・第455回。
三月最初の日曜日、皆様いかがお過ごしでしょ
うか?例年なら年度終わりと新年度を迎える準
備でバタバタしながらも、日に日に春めいてい
く陽気に誘われて行楽に出かけたり、私のよう
に居眠りにうつつを抜かしたり…。ただ、今年
の春はまだまだ我慢が必要ですね。感染拡大も
一段落の様相は呈していますが、楽観は禁物で
す。基本的な感染予防と感染対策の徹底を引き
続きお願いしますね。また、4月からは高齢者
の方を対象にしたワクチンの接種が始まります。
政府やお住いの自治体から発出される情報に注
意して、可能な限り接種するようにして下さい。
もちろん!かかりつけの先生やご家族様とも十
分ご相談しての上ですが。
では【自転車奔走記】はじまります!
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たきび版:介語苑・69-11。
【語句】
栄養
【意味】
ヒトや動物など、生物が自分以外の外界から食
物を得て、生長し、活力を保ち続ける身体の営
みのこと。
【解説】
今週からは「代謝」についてのお話となります。
「基礎代謝をUPして肥りにくいカラダを手に入
れよう」や「新陳代謝を活性化し免疫力を高め
て…」なんて広告文句をよく目にすると思いま
す。ここにも「代謝」という言葉が使われてい
ますね。ではそもそも「代謝」とは何か?生物
全般においての話ですが、代謝とは「生体内で
起こる化学反応」をまとめて呼ぶ際に使われる
言葉です。では「化学反応とは?」となります
よね。一例として呼吸を取り上げますと、呼吸
とは体内に酸素を取り入れて有機物を分解しエ
ネルギーを取り出して、生命活動をするうえで
必要不可欠なATP(生物の授業で習いましたね。
「アデノシン三リン酸」のことです)を合成す
るプロセスなんですが、酸素と有機物からATP
を合成する訳ですからまさに化学反応です。こ
のように生体内で起こる様々な反応、タンパク
質が筋肉になったり、以前お話した食物を体内
で糖類やビタミンなどに分解したりすることす
べてが「代謝」という反応であるという事が前
提になります。で、本題に戻ります。栄養のカ
テゴリーでの代謝とは何か?というと「消化・
吸収された栄養素、またはいったん体内に貯蔵
した栄養素を、エネルギーや生命の維持に必要
な物質に変える作用(化学反応)」という具合
に整理することができます。
つまり「消化・吸収は分解の過程、代謝は分解
された物を合成する過程」とご理解下さい。因
みに前述の「基礎代謝」とは、覚醒・無活動状
態(身体的・精神的に安静の状態)で生きるた
めに必要な活動である呼吸、や血液の循環、排
泄、体温の維持などを行うために必要なエネル
ギーの生成、つまり生命維持に最低限必要なエ
ネルギーを生成する事を指します。そして「新
陳代謝」とは古いものが新しいものに次々と入
れ替わることを指す言葉で、髪の毛が伸びたり
抜けたりすること、皮膚の古い角質が落ちて新
しい皮膚が現れたり、また古くなった細胞が新
しい細胞に再生することなどです。
話を戻しまして…。
栄養の文脈で代謝のお話をすると、まず真っ先
に『肝臓』が出てきます。生体内での代謝、エ
ネルギーの生成やたんぱく質の生成・分解は筋
肉組織など身体のさまざまな細胞によっても行
われていますが、一番重要であり、かつたくさ
んの仕事をこなしているのが肝臓ですので、次
回から肝臓にフォーカスしながら代謝について
お話を進めていきます。
では、またお会いしましょう。
SEE YOU NEXT WEEK