【ケアマネの自転車奔走記】連載・第459回。
4月最初の日曜日、皆様いかがお過ごしでしょ
うか?桜の開花が例年に比べてかなり早かった
せいもあるので、4月に入ったとたんに花が散
り始めたような気がしています。桜も今年は時
短営業なのですかね…。さて、新年度が始まり
新しい出会いがあったり、年度初めのバタバタ
があったり忙しい時期になりました。さらには
急に暖かくなりましたので、体調管理、特に脱
水には十分お気をつけ下さい。また、全国的に
コロナ感染のリバウンドや第4波が懸念されて
います。WITH コロナは当分続きます。基本
的な感染予防と感染対策の徹底を引き続きお願
い致します。
ワクチンの先行接種も多くの自治体で今月から
本格的に開始となります。引き続き政府やお住
いの自治体から発出される情報に注意し、可能
な限り接種するようにしてくださいね(もちろ
ん、かかりつけの先生やご家族様とも十分ご相
談しての上ですが)。
では【自転車奔走記】はじまります!
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たきび版:介語苑・69-15。
【語句】
栄養
【意味】
ヒトや動物など、生物が自分以外の外界から食
物を得て、生長し、活力を保ち続ける身体の営
みのこと。
【解説】
今週は③脂質の代謝のお話になります。食事な
どで体内に入った脂質は消化作用を受けて分解
されます。ちなみに、脂肪の多い食品は糖質や
タンパク質が主体の食品に比べ、消化の始まり
が遅く吸収に時間がかかります。脂肪の多くは、
化学的に安定した中性脂肪の形をしていて、体
内に入った中性脂肪は十二指腸で胆汁により乳
化され、次に膵臓から分泌される消化酵素リパ
ーゼの働きで、モノグリセリドと脂肪酸、グリ
セロールなどに分解されます。その後、色々な
過程を経て、3時間~4時間をかけてようやく
体内に吸収されます。
脂肪の多い食品は腹持ちが良いのも、脂っこい
食事で胃がもたれるのもこのプロセスが由来し
ているんですね。さて、小腸から吸収された脂
質は、血液によって皮下、腹腔、筋肉の間など
にある脂肪組織に運ばれて体脂肪として貯蔵さ
れます。いわゆる皮下脂肪ですね。昨今のダイ
エット、筋トレブームの世では皮下脂肪はなに
か悪者扱いされて(笑)いますが、実は大切な
エネルギー貯蔵庫です。体内のエネルギーが不
足すると必要に応じて皮下脂肪はエネルギー源
として消費される働きがありますので、適正値
が大切ですね。では、脂質の代謝に肝臓がどの
ように関わっているか?と言いますと、まずは
肝臓に脂質を貯蔵してエネルギーとして利用し
ます。また貯えられた脂質からはコレステロー
ルが生成されます。そのコレステロールは大部
分が胆汁の成分として使われますが、他に細胞
膜や神経の成分となったり、ステロイドホルモ
ンの原料になります。
因みに胆汁は肝臓の中で常に分泌されている物
質で、主に脂肪の乳化とタンパク質を分解しや
すくするはたらきがあります。この胆汁のはた
らきによって脂肪は腸から吸収されやすくなり
ますし、余分なコレステロールを体外に排出す
る際にも必要な役割を果たします。コレステロ
ールも非常に重要な役割を果たす物質として肝
臓内の代謝で生成されますが、広告などでよく
見かける「コレステロール対策!」の対象とな
るのはLDLコレステロール(肝臓で作られた
コレステロールを全身へ運ぶ重要な役割を担っ
ているが、増えすぎると動脈硬化を起こして心
筋梗塞や脳梗塞を発症させる。俗にいう『悪玉
コレステロール』)のことで、余分なコレステ
ロールを回収して動脈硬化を抑える『善玉コレ
ステロール』と呼ばれるHDLコレステロールと
は別ですので覚えておいてくださいね。
最後に、栄養過多や脂肪を取りすぎると肝臓貯
蔵される脂質が異常に増えて、脂肪肝や脂質異
常などの肝機機能低下を招きますのでこちらも
ご注意を。
さて、これにて代謝のお話はおしまいです。
次回からは、栄養の最終章「バランスの良い食
事」という分かりやすそうで分かりにくいモノ
を取り上げます。いわば、今までお話してきた
ことの現場での応用と言えますね。
是非、お楽しみにお待ちください。
SEE YOU NEXT WEEK